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出産・子育て支援策、仕組みの上手な活用を 男性の育休制度が充実

2010/7/15 日本経済新聞 朝刊

子どもを安心して産み育てられる社会を――。11日投開票の参院選では子育て支援の拡充を重点政策として、有権者に支持を訴える声が目立った。裏返せば、それだけ多くの人にとって子育ては負担感が重いのが実情だ。まずは現状の出産・子育て支援策がどんなもので、どうすれば上手に使えるのかを知ることから始めよう。

保護者の迎えを待つ子ども(東京都内の保育園)

「前々から聞いていたが、子育てには本当にお金がかかります」。今年12月に第1子の出産を予定している神奈川県川崎市在住の小池朋美さん(仮名、27)はため息混じりに漏らす。会社員の夫(30)とは「子供が3人ほしい」と話しているが、家計簿を見るたびに悩んでしまう。「給料も増えないし、生活レベルも落としたくない」

赤ちゃんに42万円

妊娠から出産までに必要な費用は病院や地域で異なるが、平均50万円ほど。これを補助するのが、出産育児一時金だ(表A)。産まれてくる赤ちゃん1人につき、一律42万円(双子なら84万円)もらえる。大企業の健康保険組合の場合、さらに上乗せした金額がもらえるケースもある。会社の総務部などに問い合わせてみるのがいい。

その際注意したいのは、42万円分を前払いする必要があるかないか、病院によって違う点だ。厚生労働省は4月から、妊婦が資金を用意するのではなく、申請によって全病院が医療保険から一時金を直接受け取る仕組みに改める予定だった。

ところが、病院側が「一時金の受け取りには申請から1カ月ほどかかり、資金繰りがつかなくなる恐れがある」と反発。完全実施は1年間延期された。自分が通う病院は前払いが必要かどうかを前もって確認する必要がある。申請は出産の忙しさから忘れても、2年間有効なので安心していい。

無事に出産を終えた共働き世帯にとって、次の悩みは育児休業の取り方だろう。小池さんも「夫婦でお互いに取りたいが、夫は協力してくれるかしら」と不安げだ。育休制度は2010年度から仕組みが大きく変わったので注意したい(表A)。

まず、4月から育休期間中にもらえる給付金の支給時期が変わった。月額賃金の50%分という金額は同じだが、これまでは育休期間中に30%分を2カ月に1回ずつ、復職6カ月後に残る20%分を一括で支給されていた。

それが4月以降は育休期間中に50%分を毎月もらえるようになった。育休期間中に生活費が足りなくなるリスクを軽くする措置だ。ただし4月以前に育休を取っている人は従来制度が適用になる。

6月30日からは父親の育休取得を促す「パパ・ママ育休プラス」制度が新たに始まった。夫婦ともが育休を取る場合、子どもが1歳2カ月になるまで育休期間を延ばせる内容だ。これまでは1歳までが限度だった。

→次ページは「世帯収入に変化も」

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