くらし&ハウス

暮らしの知恵

キッチン用品、除菌は大丈夫? 台ふきん、生乾きはNG

2010/7/9 日本経済新聞 プラスワン

夏になると注意したいのが食中毒。その原因となる細菌はジメジメ暑いと増殖しやすく、台所用品のこまめな除菌が欠かせない。記者(28)の場合は「汚れたな」と思ったら漂白する程度。どれくらい清潔に保てば菌が退治できるのか。調べてみた。

実験用に食材をつけた後に台ふきんを洗う

「いちばん清潔にしたい台所が、実は家の中でいちばん細菌に汚染されているんですよ」。開口一番、衝撃的なことを教えてくれたのは花王生活者研究センターの小島みゆきさん。家庭衛生の分野で博士号を取得した専門家で、実験の助言をしてもらおうと訪ねた。

食中毒菌の多くは生の食材を通じて家庭に持ち込まれ、それらに触れた手やまな板などに細菌が移動。栄養分や水分が豊富にあると細菌はどんどん増える。

台所で除菌すべきものを聞くと、「まな板、台ふきんなど『菌を広げる道具』を最優先に。食器洗い用スポンジも湿ったまま置いてあることが多く、細菌の繁殖に好条件」と小島さん。

細菌を付着させ処理後の数測定

小島さんの話を参考にして、まず、新品のまな板、台ふきん、食器洗い用スポンジを用意し、それらに生の食材から細菌を付着させることにした。その後台所用洗剤で洗浄、漂白剤につけるなど処理方法を変え、処理後の細菌数を測定する計画を立てた。

測定は衛生検査を手掛ける食品微生物センター(横浜市)に依頼。直径2センチほどの専用スタンプで測定対象の表面10センチ四方をこすり、そこに付いた細菌をシャーレに移して24時間培養する。細菌一つひとつが繁殖し、目に見える大きさの点になるので、その点を数えれば汚染の度合いが分かるという具合だ。

手順が決まり、実験の準備として最初に細菌の「感染源」を生のもやしとひき肉で作る。ボウルに入れもやしをつぶすようにこねると、ハンバーグのたねのようなペースト状になった。

このペーストを6枚のまな板に木べらで塗りつける。使い込んだ状態に近いように、まな板の表面にはキッチンばさみで細かい切り込みを入れてある。

そして放置すること12時間……。まな板がプーンと生臭い。普段であれば顔をしかめるところだが、今回は「細菌が増えてそうだな」と、何だか喜ばしい。

6枚のまな板は、食材を簡単にふき取る、洗剤でこすり洗いする、洗剤でこすり洗いの後に湯をかけたり、漂白剤やアルコール消毒スプレーをかけたりするなどの処理をして、それぞれ表面を検査用スタンプでこすった。これを食品微生物センターへ送り後日、結果が判明する段取りだ。

台ふきんには同じペーストをこすりつけて、水洗いをして漂白剤につけたり、熱湯に浸したりする方法で違いを調べた。それとは別に3日間使い続けた状態を再現した台ふきんを準備。卵、牛乳、ケチャップ、ドレッシングなど調理や食事中にこぼしそうな食材を台ふきんに1日2回吸い込ませて、その都度水洗いし、つり干ししたり、畳んだまま放置したりした。

スポンジはもやしとひき肉のペーストを溶いた水に12時間つけた後、もみ洗いだけでどの程度細菌が少なくなるか、などを調べた。

試した方法は、洗い方や干し方の違いなどで計30通り。それぞれの状態をこすり取ったスタンプを食品微生物センターに送り、数日後に訪ねて結果を聞いた。

→抗菌タイプでも条件悪いと繁殖

くらし&ハウス 新着記事

ALL CHANNEL