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きれいな字で好感度アップ

2010/7/7 日本経済新聞 プラスワン

ビジネス文書や手紙、メモなどを手書きするとき、字が下手で恥ずかしい思いをした経験はないだろうか。たまにしか書かなくても、その字がその人の印象を左右しかねない。字がきれいな人は、仕事までできるように見える。きれいなペン字を書く方法を、達人に教わった。

パソコンや携帯メールの普及により、手で字を書く機会が減った。しかし、例えば大事な伝言メモの字が読みにくければ、トラブルのもとになる可能性も。とはいえ、書道を基礎から習うのは大変だ。じっくり練習する時間が取れないという社会人も多いだろう。

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そこで誰でもすぐに、美しい字が書ける方法を富沢敏彦さんが教える。富沢さんは字を整えるための独自の技術「六度法」を考案。「六度法ノート」(小学館)など多数の著書がある。中国の古典で「完ぺきな楷書(かいしょ)」といわれる「九成宮醴泉銘」の字を分析し、「きれいな字」の原則を発見した。

その原則はたったの3つ。1つ目は、横画を右に6度強、上げること。「完ぺきな楷書」の様々な角度を分析して割り出した角度である。

といっても、実際に書く時にどのくらい上げればいいか分からない。「時計の文字盤の1分が、角度にして6度。15分が水平なので、だいたい13~14分ぐらいの角度」と富沢さん。思い浮かべながら横画を上げよう。たとえば、「夏」の字の横画を右上がり6度にすると美しくなる。

この原則は、横画のない字にも応用できる。「八」「以」「兆」などの字は、上部の始筆(書き始め)を右上がり6度に配置して書くようにする。

だが、右上がり6度に書いただけでは、字が傾いてしまう。そこで、2つ目の原則として、字の右下方向、あるいは右斜め下方向に向かう点画を伸ばし、右下に重心をかける。すると、字全体が安定する。3つ目の原則は、平行する線の間隔や、線で分割する左右や上下、例えば「田」などを等間隔にすることだ。

「この3つの原則が当てはまらない漢字はほとんどない」と富沢さんは説明する。この3つの原則に留意すれば、その場できれいな字が書けるというわけだ。

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