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イチからわかる

鉄道ファン、なぜ多い? ママ鉄、撮り鉄 すそ野広く

2010/6/28 日本経済新聞 プラスワン

 「クラスの3、4人の友達が来週、鉄道を見に行くって言ってたけど、なぜこんなに鉄道ファンが多いの」。事務所に来た小学生の伊野辺詩音の話に探偵、松田章司が興味を示した。「公共の乗り物はたくさんあるのにな。よし調べてみよう」
写真は新幹線500系の東京~新大阪間ラストラン(2月)

 2人はまず趣味の経済に詳しい野村総合研究所の高田伸朗さん(51)を訪ねた。「乗り物は人気がありますが、鉄道ファンは特に多く150万~200万人とみられます」。中心となる鉄道マニアは約2万人。少しでも好きな人を含めた鉄道ファンはその百倍近くに上り、航空機の3~4倍、バスの10倍いるという。

 「何がそんなに魅力なの」。詩音が首をかしげると、鉄道ファンの集まりの「鉄道友の会」の事務局長、大庭幸雄さん(74)が教えてくれた。「列車の種類が多く、新型車が登場するなど話題が豊富なことが人気の理由のようです」

 目新しさだけではない。時代を象徴する特急や寝台列車は多くの人にとり、上京、進学など人生の転機に密接にかかわってきた。最近、古い列車の引退が相次いでおり、熱烈なファンでなくてもつい感傷的になってしまう。「そんな気持ちは他の乗り物ではあまり味わえません」

 新モデルの数を実際に鉄道会社に問い合わせてみた。国内には鉄道会社が約200社あり、新型車は毎年10~20種類も生まれている。東海道・山陽新幹線には1997年、99年、2007年に新型車が登場。通勤車両でもJR東日本だけで93年、00年、06年に導入されていることがわかった。JR6社の主要な路線では、新モデルが出るのは平均7年に1回だった。

 同じように航空機も調べてみると、全日本空輸(ANA)などの主力機は平均で13年。同社は10年中に米ボーイングのB787を飛ばす予定だが、B777が日本に導入された95年から数えると15年ぶりとなる。路線バスも車両メーカー3社の平均で14年だった。旅客船はほとんどが注文生産でモデルチェンジがない。

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