泥はねしない靴と歩き方は?フィットした靴はき親指でけるとことん試します

出勤時に慌てることが多い記者(43)は、雨の日に道を急いで駅に着くと、ズボンに泥はねが付いていてがっかりすることがよくある。周りの女性に聞けば「私も」という人が意外と多い。歩き方や靴の履き方を工夫して泥はねを解消できないか。試す気になった。

工場内に人工の雨道を用意し、そこを歩いて泥はね解決法を探った

同僚や友人に聞くと、泥がはねやすい人とそうでない人がいるようだ。その“分かれ目”は何か。いろいろと試すヒントをもらおうと、「上級シューフィッター」という民間資格を持つ靴合わせの専門家、大高成(みのる)さんを訪ねた。

「泥がはねて足に付くのは歩幅やつま先の向きが影響しているはず」。つま先を真っすぐにして歩くのと内またや外また歩きでは泥のはね方が違うという。

「あとは靴のフィッティングの善しあしも関係がある」と大高さんが続けた。靴が足にしっかりフィットしていないと、地面をけった際に靴が揺れ動くので、泥がはねやすいらしい。

そうなると靴の違いも影響しそうだ。靴ひもがないパンプスやローファーと、ひもで縛れるスニーカーとでは泥のはね方が変わるのでは、と考えた。そこで歩き方、靴、フィッティングの3要素を変えて泥のはね具合を試すことにした。

実験はスポーツ靴メーカーのアキレスに協力を依頼。栃木県足利市の同社工場の一画を借り、幅約1.6メートル、長さ約11メートルの「道」をビニールシートと鉄の枠で作った。そこに青いインクを混ぜた水を薄く張り、泥水に見立てた。この道を歩き、歩き方や靴などの違いによってどれくらい泥のはね方が変わるかを調べた。

親指で地面けり大また意識して

まずは記者が短パンにハイソックスという格好で、少し余裕のあるローファーを履いて挑む。同行してもらった大高さんからは「親指で地面をけることを意識して、大またでしっかり歩いて」とのアドバイス。その通りに歩いたが、小さい8個の泥はねがソックスに付いてしまった。

では、靴と足をしっかりフィットさせるとどうか。大高さんがその場で、中敷きと足の甲に当たる部分に革で作った薄いパッドを装着してくれた。靴はぴったりと足にくっつき、歩くと非常に快適。効果もてきめんで、ほとんど気にならない2個の「点」がかかとの上に付いただけ。記者が日ごろ雨の日に泥がはねてしまうのは、このフィッティングがよくなかったのだろう。

続いて、女性に多いとされる内また歩きにも挑戦した。大高さんの指導を受け、内側を向いた足のつま先が一直線上に乗るように歩く。両足の間隔を狭めたまま小指でけるのがポイントと教わるが、これがなかなか難しい。

どうしても両足の間隔が開いた不自然な歩き方になる。泥はねも付かない。「男性の骨格で女性特有の歩き方をまねするのは難しいかも」という大高さんの判断で記者はお役御免。そこで、アキレスの20代の女性社員にお願いして、細いストラップ付きのパンプスを履いてもらうと、しっかり歩きと内また、外またを見事に演じ分けてくれた。

結果はフィッティングが不十分な場合の内また歩きをしたときに17個の泥はねが付き、ストッキングが汚れて悲惨な状態になった。

内また歩きを撮影した動画をスロー再生すると、つま先が内側に傾いた状態から小指でける際に、かかとが内側に振られるのが分かる。「この動きにより、かかとに付いた泥がもう一方の足の後ろ側へ飛んでいく」(アキレスシューズ事業部の田島裕之さん)。内またの人は歩幅も小さく、飛んだ泥がなおさら付きやすい。一方、外またの場合は常にかかとが内側を向くので、泥はねが足の内側に付くようになる。

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