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おならは腸内環境のバロメーター 「悪玉細菌」多いとくさい におわないのは健康な証拠

2010/6/3 日本経済新聞 朝刊

おならは腸の健康状態を知る大事なバロメーターだ。おならが出る仕組みを正しく理解して、「いいおなら」と「悪いおなら」をかぎ分けるコツをつかんでおけば、日常生活を見直すきっかけになる。

「お父さんの後はくさくて入れない!」。朝、どこの家庭でもよくあるトイレの争奪戦。順番によっては不幸な目に遭うことに。くさいのは便とおならから出るにおい。「出物はくさい」というのが常識だが、おならはどうして出て、なぜくさいのか。

肉類中心に注意

1日に腸で作られるガスの量は400ミリ~1200ミリリットル。大半が便と一緒に排せつされる。ガスの成分は食事中に飲み込んだ空気や、腸内細菌が食物を分解した時に出す水素やメタンといった、においがないものがほとんどだ。こうしたガスは人間が生きている限り出てしまう仕方のない「いいおなら」にあたる。

一方、アンモニアや硫化水素、インドールなど少量だがくさいガスもある。腸内にいる悪玉細菌が、肉類に含まれるたんぱく質や脂肪を分解する胆汁をエサにして生み出す。これがいわゆる「悪いおなら」。おならがくさいのは、高脂肪・高たんぱく質の食事が続いて腸内の悪玉細菌が増えている証拠といえる。

肉類中心の食事でおならのくさい人は、便秘にもなりやすい。世界中の人の腸内細菌を調べている理化学研究所の辨野義己・特別招聘研究員によると、肉類をよく食べる欧米人は3~4日に1度、少なくてくさい便をする人が多かったという。

日本人も肉類を食べる量が増え、便秘に悩む人も多い。便秘が直接大腸がんリスクを高めるわけではないとの疫学研究報告もあり一概にはいえないが、腸内で悪玉細菌が多くなると発がん物質も増えるとされ、便秘もおならも不健康な腸内の状態を映し出している点にはかわりない。

→次ページは「次の人が入った時までトイレがくさいなら危険信号」

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