では、どのようなときにSASの疑いがあるのか。まずは、表のような自覚症状があるかどうかだ。特に、SASの診断ではいびきと昼間の眠気を重視。昼間の眠気は「エプワースのテスト」を用いることが多い。症状があれば医療機関で専門の検査を受けたい。

検査には「簡易検査」と「終夜睡眠ポリグラフィー(PSG)」がある。簡易検査は気流と血中酸素飽和度を測定する機器を借り、家で睡眠状態をチェックする方法。簡単な一方、重症以外の確定診断はできない。PSGは医療機関に一泊して脳波や筋電図、気流の状態、眼球の動きなどを測定。時間がかかるが軽症の場合も確定診断できる。

SASと診断された場合の治療法は大きく分けて外科治療、マウスピース、CPAP(経鼻的持続陽圧呼吸療法)の3つがある。

根本治療は、上気道を閉塞させる原因となる部分を切除する外科治療。しかし「上気道の閉塞の仕方は様々で、手術で効果があるのは患者の10%ほど。残りは手術では閉塞を防げない」(赤柴教授)という。

鼻マスクで治療

そのため、主に軽~中程度のSASでは上気道をふさがないためのマウスピースを睡眠中に装着する治療法をとる。中~重症の場合に有効なのは、帝人在宅医療などが扱う在宅機器のCPAP。これは強制的に空気を送り込む鼻マスクを装着する治療法だ。効果は大きいが、対症療法なので使い続ける必要がある。

冒頭の山本さんは医師の指導のもと、CPAPを自宅で5年間使っている。「慣れるまでに1カ月ほどかかったが効果を実感している。寝覚めがすっきりして集中力も高まった。2時間おきにトイレに起きていたのもなくなり、熟睡できるようになった」と山本さん。

また、あおむけに眠ることで上気道が閉塞するので、常に横向きに寝るというのも、軽症の場合には効果があるという。

(ライター 武田 京子)