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薄毛、自分に合った対応策知ろう 皮膚科学会が診療の指針

2010/5/27 日本経済新聞 朝刊

 額の生え際や頭頂部の髪が薄くなる男性型脱毛症に、国内で約800万人が悩んでいるとされる。科学的な根拠が薄い治療法も存在し、一部の養毛剤などへの苦情や相談も増えている。日本皮膚科学会が4月、診療ガイドライン(指針)を作成、科学的根拠に基づいて治療薬や植毛などを5段階で評価した。適切な治療法を知るうえで参考になりそうだ。

 男性型脱毛症は毛が十分に成長する前に抜けてしまう現象。通常は2~6年ある髪の成長期が数カ月~1年に短くなる。

男性ホルモンが主因

 主な原因と考えられるのが男性ホルモン。男性ホルモンはひげや胸毛などを濃くするが、頭頂部などでは逆の働きをする。酵素の働きでDHT(ジヒドロテストステロン)に変化すると、毛根の細胞に強く作用して髪の成長を妨げるという。

 ただ、「原因は皮脂が毛穴に詰まるからだ」といった、根拠があいまいな俗説も多い。診療指針では「科学的根拠に基づかない治療法が社会的に横行し、無効な治療法を漫然と続ける患者も少なくない」と指摘する。

 指針は医師向けだが、一般に公開することで患者にも参考になるようにした。策定委員会で委員長を務めた坪井良治東京医科大教授は「一部の薬では効き目が低いにもかかわらず、誇張した広告であたかも効くような印象を与えている。ヘアサロンで診療に近い行為をしている例もあり、注意が必要」と指針作りの狙いを説明する。

 指針では薬の効果などが医学論文で示されているかを基準に「強く勧められる(A)」から「行わないよう推奨する(D)」まで5段階で評価した。

 A評価は大正製薬の塗り薬「リアップ」に含まれる成分のミノキシジルと、万有製薬の飲み薬「プロペシア」に含まれるフィナステリド(男性のみ)だ。フィナステリドは酵素の働きを阻害し、男性ホルモンからDHTが作られるのを抑える。ミノキシジルは毛根の細胞の分裂を活性化し髪の成長を促す。学会が推奨する治療法は、ミノキシジル(男性は濃度5%、女性は濃度1%)の塗り薬。男性はフィナステリドと併用する。

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