風呂上がり、真っ白でふわふわのタオルにくるまれる――。身も心もほっとする瞬間だ。ただこのタオル、高級ホテルのようにふんわり感を保つのは難しい。特に梅雨時に部屋干しすると「乾きにくい」や「ふわふわにならない」などの悩みも多い。毎日使うタオルを上質に仕上げる秘訣はないものか、実験してみた。
まず、洗剤「トップ」をはじめ様々な洗濯関連商品を扱うライオンへ相談に。東京都江戸川区にある同社研究所を訪れると少し驚いた。建物も、研究員の白衣も靴も歯も、輝くような真っ白だったからだ。
「洗剤の会社ですからね」。そう言って出迎えてくれたのは洗濯研究歴約20年、生活者行動研究所の松永聡副主席研究員だ。国内で初めて“部屋干し専用”の洗剤を開発した中心人物でもある。洗濯の鉄則は「とにかく水分を早く取ること!」が持論。早速コツを伝授してもらった。
「干す前に一振りするだけで違いますよ」(松永さん)。脱水後にタオルを広げ、空中でバサバサ振る。この一手間で雲泥の差だという。原始的方法に聞こえるが、果たして違いは出るのか? 実験してみた。
用意したのはバスタオル10枚(1枚1260円)。大手インターネット通販の売れ筋上位のうち、手ごろなものを選んだ。
洗濯開始。まず8枚のタオルを2グループに分けて洗う。最初の4枚は「洗剤のみ」。もう4枚は「洗剤+柔軟剤」。脱水後、各グループの1枚ずつで干し方を変える。1枚はそのまま干す。2枚目以降は1回、20回、100回と段階的に振る回数を増やしていく。