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初夏感じる取り寄せ抹茶スイーツ 何でもランキング 洋菓子でも今や定番に

2010/5/12 日本経済新聞 プラス

 八十八夜の5月2日を過ぎ、各地で茶摘みが本格化している。今年は4月にも冷え込む日があったが、「茶摘みの開始時期が若干遅くなった程度で、作況は悪くはない」(京都府茶業会議所の極山映一さん)。抹茶を使った取り寄せできるスイーツを専門家が試食しておすすめを選んだ。

1
356ポイント
パティスリーミュウミュウ「ふわり抹茶ロール」(神戸市)
 京都宇治の上等な抹茶の銘柄「初昔(はつむかし)」を生地とクリームにふんだんに使ったロールケーキ。箱から出した瞬間に抹茶の香りが広がる。たっぷり多めに巻いたクリームの中には、甘く煮た小豆が入っている。生地に加えるメレンゲ(泡立て卵白)はしっかりと泡立ててから入れており、その名の通り、きめ細かいふわっとした食感に仕上げた。
 「生地のふわふわ感が心地いい。クリームのやわらかさ、濃厚さもほどよい」(神谷千佳代さん)、「やさしい味だが、抹茶の風味がしっかりと広がる。巻き込まれている小豆が食感のアクセントになっている」(平岩理緒さん)、「クリームが軽いので、切ったときの断面が美しい」(松永朗さん)
 (1)1本1890円(2)3日(3)www.patisserie-net.com/
2
303ポイント
パティスリー タダシ・ヤナギ「ル・キイチ」(東京都目黒区)
 人気洋菓子店の抹茶パウンドケーキ。抹茶をたっぷり使ったケーキの中に花豆を入れ、表面にホワイトチョコレートと抹茶を散らした。花豆は、パティシエ(菓子職人)である柳正司さんの故郷、群馬県の尾瀬片品(かたしな)産。商品名は花豆を作っていた柳さんの父の名前からとったという。
 「バターの香りがしっかりしているなかで、抹茶の繊細な味わいが生かされている」(西祐子さん)、「生地とともに焼き上げている花豆がふっくらとした優しい味わいに」(下井美奈子さん)
 (1)1切れ210円、1本1785円、箱入りは1995円(2)2週間(3)03・5731・9477(東京・八雲店)
3
276ポイント
ティーフォーユー 香月園「抹茶モ・ヴレ」(愛媛県新居浜市)
 茶や茶道具を扱うお茶専門店のつくる抹茶の大福。使っているのは宇治産の石臼びきの抹茶。もちの中には抹茶あんと抹茶クリームが入っており、その外側にはたっぷりと抹茶の粉末をまぶした。今の時期なら冷凍庫から出して30分くらいの半解凍の状態で食べるのがおすすめという。商品名の「モ・ヴレ」は愛媛などで使われる「まぶす」という意味の方言。
 「抹茶のパウダー、クリーム、あんが使ってあり、抹茶のさわやかさ、渋み、まろやかさが様々に表現されている」(下園昌江さん)、「抹茶の香りをうまく生かし、温度によって味わいの違いも楽しめる」(藤原浩さん)
 (1)8個入り1350円(2)冷凍60日、解凍後2日(3)0897・33・2355、www.t4u.co.jp/
4
260ポイント
カルヴァ「ケーク 抹茶」
(神奈川県鎌倉市)
 抹茶の香り豊かなパウンドケーキ。焼き上げた後にあら熱をとらずにビニールをかぶせ、蒸気や風味をとじ込め、しっとりとした仕上がりに。表面は粉糖と水、抹茶のグラッセで覆った。きらきら輝き、砂糖の食感も楽しめる。
 「香料などを使用せず、抹茶の優しい香りをうまく引き出している」(下井さん)
 (1)1本1200円(2)約2週間(3)0467・45・6260
5
230ポイント
中村藤吉本店
「生茶ゼリイ(抹茶)詰め合せ」
(京都府宇治市)
 江戸末期、1859年の創業以来、京都宇治で茶業一筋の店の菓子。抹茶の味が引き立つように、甘さを控えめにしたゼリーに白玉と小豆を入れた。
 「抹茶の風味の濃いゼリーと白玉、小豆がバランスよく組み合わされて食べ飽きない」(並木麻輝子さん)
 (1)6個入り2490円(2)4日(3)0774・22・7800、www.tokichi.jp/
6
190ポイント
OKU「抹茶のダクワーズ」
(京都市)
 小麦粉を使わず、宇治の抹茶とアーモンド粉、メレンゲで焼き上げた生地に、抹茶入りのバタークリームを挟んだ。クリームに入った干しイチジクが特徴。
 「ドライイチジクを混ぜ合わせた食感がいい。口に含んだときに驚きや意外性がある」(松永さん)
 (1)3個入り600円(2)2週間(3)oku-cafe.shop-pro.jp/
7
173ポイント
京はやしや「抹茶わらび餅」
(京都市)
 宇治の茶園で育った抹茶を使った。つるんとした食感。抹茶きな粉と黒みつがつくが、何もつけずに食べても抹茶の豊かな風味が味わえる。
 「わらびもち、抹茶きな粉、黒みつが三位一体となり、口に涼しい」(清水好夫さん)
 (1)1箱10切れ入り945円(2)2日(3)0120・8848・46、www.kyo-hayashiya.com/
8
170ポイント
京都ベイクドチーズケーキドットコム「抹茶チーズケーキ」
(京都市)
 ベイクドチーズケーキの専門店が作る宇治の抹茶を使ったチーズケーキ。土台の生地は抹茶をマーブル状に焼いた。上からも抹茶クリームをかけ、抹茶の香りが広がる。
 「抹茶の苦みとチーズのコクがマッチしている。口に入れると、すっと溶けていく」(海田文さん)
 (1)ハーフサイズ(11×7×4センチ)1330円(2)3日(3)075・211・6690、baked-cheesecake.com/
9
161ポイント
丸久小山園「抹茶クリームロール」
(京都府宇治市)
 職人がひとつひとつ手焼きしたさくさくのクッキー生地を使用。その中に、京都府産の上質な抹茶をたっぷり使った抹茶クリームを入れた。
 「濃厚な抹茶クリームの品の良さは老舗ならでは。小粋な包装で贈答品としてもおすすめ」(村山なおこさん)
(1)10本入り525円(2)4カ月(3)0774・20・0909
10
160ポイント
築地丸山 寿月堂
「寿月堂の抹茶フィナンシェ」
(東京都中央区)
 のりの老舗、丸山海苔店のお茶ブランド「寿月堂」のフィナンシェ。静岡の自家製抹茶をふんだんに使い、美しい発色に仕上げた。
 「上質な抹茶を使い、バターとアーモンドのコクに負けない濃い茶の味わいが楽しめる」(藤原さん)
 (1)5個入り1050円(2)約3週間(3)0120・088・417、www.maruyamanori.com/

 抹茶は緑茶の一種、てん茶を粉末状にしたもの。玉露などの高級茶と同様、葉を直射日光から遮って育てる。十分な光が得られないので葉が薄くなり、うまみが増すという。摘み取った葉を蒸し、茶葉をもまずに乾燥させるのが特徴で、その後、葉脈などを取り除いて葉の部分を粉にする。

 原料のてん茶の生産量が最も多いのは京都府で、愛知県、静岡県が続く。抹茶は京都の宇治がよく知られるが、「宇治茶」と名乗れる茶には厳格な条件がある。特許庁の地域団体商標(地域ブランド)への登録内容では「京都、奈良、滋賀、三重の4府県産の茶を、京都府内業者が京都府内において宇治地域に由来する製法により仕上げ加工した緑茶」と決めている。

 和のイメージが強い抹茶だが、洋菓子も多い。「欧州でも抹茶は一流のパティシエ(菓子職人)の定番素材になっている」(松永朗さん)という。

 「抹茶を洋菓子に取り入れ広めた先駆者」(藤原浩さん)ともいわれるのが、パリや日本に店を構えるパティシエの青木定治さん。ランキングは抹茶菓子だけ単独で取り寄せられる商品に限ったため、対象外だったが、パティスリー・サダハル・アオキ・パリの抹茶のマカロン(取り寄せは他の風味との詰め合わせのみ)を推す声もあった。

 日本茶店も海外での販売に力を入れ始めている。10位の築地丸山 寿月堂は08年にパリに本格的な日本茶専門店を開店した。「パリでは今は煎茶(せんちゃ)も人気」(並木麻輝子さん)といい、日本茶全体に注目が集まっている。

 表の見方 カッコ内は本社・本店の所在地。数字は選者の評価を点数化。(1)注文可能な最小単位と価格(送料別)(2)製造・発送からの賞味・消費期限(3)取り寄せ先の電話番号やホームページ(頭のhttp://は略)。一部地域に配送していない店も。
 調査の方法 抹茶菓子だけ単独で取り寄せられる商品が対象。大手通販サイトの売れ筋や専門家の推薦で21商品を候補に選出。実際に試食して選んでもらった。選者は次の通り(敬称略、五十音順)。
 海田文(ライター)▽神谷千佳代(「スイートネットワーク」代表)▽清水好夫(「スイーツ番長・男のスイーツブログ」主宰)▽下井美奈子(オールアバウト洋菓子ガイド)▽下園昌江(お菓子研究家)▽並木麻輝子(料理ジャーナリスト)▽西祐子(「デパチカドットコム」主宰)▽平岩理緒(「幸せのケーキ共和国」主宰)▽藤原浩(日本フードアナリスト協会スーパーバイザー)▽松永朗(伊勢丹食品営業部、和菓子・茶バイヤー)▽村山なおこ(菓子評論家)

熱や光に弱い抹茶、製法や保存に工夫

 抹茶は熱や光に弱い。各菓子店は色や風味が落ちないよう、製法や保存法などで様々な工夫をしている。1位になったパティスリーミュウミュウでは「抹茶を使った商品をショーケースの光にさらすと、緑色が褐色になってしまう。抹茶のロールケーキは常時店頭には出していない」と説明する。

 6位に抹茶のダクワーズが入ったOKUでは「熱を加えると抹茶が変色してしまうので、熱を加える生地の部分と加えないクリームの部分で、違う種類の抹茶を使っている」という。4位のカルヴァの抹茶のパウンドケーキも「美しい緑色を守るために、抹茶を溶いた砂糖でケーキをコーティングしている」(パティシエの田中二朗さん)そうだ。

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