神経の炎症「多発性硬化症」、治療 着実に進歩一度の発症で重症化 病名判断見直しも

女性に多く、患者数が約1万人いる多発性硬化症(MS)は神経系の難病だ。根本的な原因はよくわかっていないが、新薬の臨床試験(治験)が国内でも始まり、治療法を決めるカギとなる検査方法も確立された。一方で、これまで多発性硬化症の一種とされてきた疾患を別の病気として見直す動きがあり、患者が戸惑う事例も出始めている。

症状まちまち

多発性硬化症の患者の脳を撮影した磁気共鳴画像装置(MRI)画像。中心の脳室に当たる空洞が大きくて脳が萎縮しており、白い病変がある(東北大学提供)

多発性硬化症の患者の体では神経のどこかで炎症が起きている。炎症の場所次第で目が見えにくくなったり、歩くのが困難になったりしてしまう。炎症の程度次第では収まった後でも以前できたような手先の細かい動きがしにくくなって「もうはしでごはんを食べられない」と精神的に落ち込む患者は少なくない。

自己免疫疾患の一つとされ、本来、細菌やウイルスなどの異物から体を守るはずの免疫が過剰に働き、自分の神経も攻撃してしまう。ストレスなどをきっかけに炎症が再発する。体質と生活習慣が発症にかかわるとされ、欧米スタイルの食生活が浸透し、今後も患者数が増える可能性が高い。

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