そのいびき大丈夫?心疾患や鼻炎、無呼吸症候群…潜むリスク大きな音は要注意 高血圧の引き金にも

家族らから指摘されないとなかなか気がつかない「いびき」。熟睡しているから大丈夫と放っておく人も多いが、高血圧からくる心疾患や脳梗塞(こうそく)、鼻の病気など様々な疾患が潜んでいることもある。「危ないいびき」の見分け方を専門家に聞いた。

日本人の2~4%が睡眠時無呼吸症候群とされる(測定器具をつけた医療関係者)

「いびきの音が大きいと、その分、病気の可能性が高くなります」――。千葉大学の巽浩一郎教授はこう警告する。

いびきは睡眠中の呼吸がうまくできていない場合に起きる。酸素が足りず息苦しくなると、むりやり一気に吸い込んだ大量の空気が狭くなった気道に流れ込み、音が出る。気道が狭くなればなるほど、吸い込む空気が増えれば増えるほど、いびきは大きくなる。

頭は起きた状態に

「いびきをかいているときは頭が起きている」(巽教授)からやっかいだ。人間の体は睡眠中に副交感神経が主に働いてリラックス状態にあるが、いびきをかいているときは一生懸命呼吸をしているため、日中と同じように交感神経が活発になる。

いびきが大きいと自律神経のバランスがより崩れ、血管が収縮しやすい方向に働き、高血圧になりやすい。米国の疫学調査では、高血圧症のなりやすさは毎日いびきをかく人はそうでない人と比べ男性で1.9倍、女性で3.2倍という結果になった。高血圧症が何年も続くと、心筋梗塞や脳梗塞といった血管系疾患の発症リスクを高める。

巽教授は「軽い脳血管障害や脳卒中からいびきにつながるケースもある」と指摘する。神経機能がうまく働かず、気道を広げられなくなったり、呼吸のタイミングをコントロールできなくなったりして、変な呼吸になっていびきにつながるという。

「いびきは体の不健康のサイン」と、しらとり台耳鼻咽喉(いんこう)科(横浜市)の石塚洋一院長(帝京大学名誉教授)が言うように、ほかにも潜む病気がある。アレルギー性鼻炎など鼻の病気だ。

アレルギー性鼻炎になると、鼻がつまって鼻呼吸が難しくなり、就寝中に口で息をするようになる。口は鼻よりも大量の空気を吸い込むためいびきが出やすい。花粉症の人の中には今の季節だけいびきをかくという人もいる。

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