インターナショナル・ジャズデイ大物34奏者が大阪城に集結、対話と調和奏でた夢の一夜

国連教育科学文化機関(ユネスコ)の公式行事「インターナショナル・ジャズデイ」に、ハービー・ハンコック(ピアノ)やウェイン・ショーター(サックス)ら、内外のジャズメン34人が集まり、4月30日、大阪城西の丸庭園(大阪市中央区)で一夜限りの共演を繰り広げた。大物がずらりと並び、演奏には抑制のきいた美学が光った半面、聴き手としてはもっと長尺のソロを堪能したいという食い足りなさも残った。

夕暮れの大阪城公園で始まったコンサート

主な出演者はジョン・スコフィールド(ギター)、ロイ・ハーグローブ(トランペット)、ケニー・ギャレット(サックス)、ルー・タバキン(サックス、フルート)、マーカス・ミラー(ベース)、ジェームス・ジーナス(同)、エスペランサ・スポルディング(同)、テリ・リン・キャリントン(ドラム)、ディー・ディー・ブリッジウオーター(ボーカル)、ディオンヌ・ワーウィック(同)、秋吉敏子(ピアノ)、小曽根真(同)、日野皓正(トランペット)ら。

ファンなら陶然とする豪華メンバーだ。いずれも各自がサイドメンを従えて、単独公演が開ける一国一城の主。「これだけ集めたら欧州の保養地でジャズ祭1週間分のプログラムが組める」「一夜限りのステージではあまりにもったいない」という声が会場でも飛び交っていた。

手あかのついたスタンダード曲を延々と流してソロをたらい回しにするのでは芸がない。そういうそしりに備えてか、趣向を凝らした演出が光った。取り仕切り役はユネスコの親善大使でもある巨匠ハービー・ハンコック。出演者の人選も手がけた、いわばコンサートの司令塔だ。

ジョン・スコフィールド(右)らギター3人衆がブルース合戦

和太鼓とスティーヴ・トゥーレ(トロンボーン)が吹くホラ貝による即興で幕を開けた。叙情的なデュオもあれば、ビバップやモード奏法で演奏する5、6人編成のコンボもある。ギター3人を前面に出したブルースバンドが泥臭く迫るかと思えば、打楽器と管楽器小隊がさく裂するラテンバンド……。あれこれと編成を変えながら、ジャズの歴史や多様性を概観してもらおうという進行だ。

ただ、たくさんのビッグネームを舞台に上げ、見せ場を設けなければならないため、1曲の演奏時間が短く、「あれ、もう終わり?」というせわしなさがぬぐえない。マイルス・デイビスの演奏で有名な「セブン・ステップス・トゥ・ヘブン」は急速テンポゆえ、ライブではソリストに数コーラス即興を任せ、盛り上げるのが一般的だ。ところが1、2コーラスでおしまい。これからエンジン全開というのに……。

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