妻、気がつけば「夫源病」 夫がストレスに暴言で頭痛・めまい

妻の体の不調の原因は夫、ということがあるのをご存じだろうか。その名も「夫源病」。夫の無神経な立ち居振る舞いや言動が原因で、更年期の変調などで診察を受けるまで気づかない人が多いようだ。処方箋はもちろん、夫が行動を改め、互いに本音を言い合える関係を取り戻すこと。夫婦はどのように病に立ち向かえばよいのか。
プチ別居で夫源病を乗り越えた本間留都子さん(右)と夫の清史さん(神戸市)

「夫がやさしくなったので、ようやく乗り越えられた」とほほ笑む妻。夫は「ごめんな、今までは過剰に愛してきたんだな」と振り返る。

神戸市に住む会社員、本間清史さん(63)と留都子さん(61)。今は円満に暮らすが、最近まで苦しい夫婦関係が続いていた。「完璧な家事を求めすぎた。買い物をチェックしたり、部屋の隅のホコリを調べたり。妻に干渉してきた」と清史さん。自身も12年前に過労でうつを患い、イライラが続いていたという。

留都子さんはそんな清史さんにずっと耐えていたが、5年前に頭痛や気分の落ち込みを自覚。更年期外来で清史さんを治療していた大阪市の医師、石蔵文信さん(59)のカウンセリングを受けたところ、「夫源病」と診断された。

プチ別居も選択肢

ショックを受けた2人だが、改善の手はなかなか打てなかった。「私が原因とわかっていても、自分の体調がよくならず行動に移せなかった」(清史さん)。留都子さんも「夫の気持ちをくみ取ってあげられなかった」という。

ただ、2人の体調が改善した2年前に始めた対処は大胆だった。プチ別居だ。「互いに干渉しないで自由に暮らすように」との石蔵さんの指導に従い、清史さんは休日は夕方まで書斎にこもり、留都子さんと顔を合わせないようにしている。留都子さんは「それだけで気持ちが楽になった」と話す。

石蔵さんはこれまでに留都子さんのような病状の女性を何度も診療。その経験から、これらの病状を2011年に「夫源病」と名付けた。

石蔵さんは夫源病を招く夫の典型的な行動として(1)『だれに食べさせてもらっているんだ』などと高圧的な口癖がある(2)妻が今日の出来事などを話しても上の空(3)定年退職した途端、妻にまとわりつく――の3つを挙げる。一方、妻については我慢強く弱音を吐かないタイプの女性ほど夫源病にかかりやすいという。

男女ともに思い当たる人は少なくないだろう。では、夫源病にならないために、夫婦はどうすればよいのか。

▼夫源病とは 医学的な病名ではない。40~60歳代女性の間で、更年期障害とされてきた体調不良の原因の一つに、夫の無神経で鈍感な言動があり、それらを大阪市の医師、石蔵文信氏が夫源病と名付けた。頭痛、めまい、耳鳴り、気分の落ち込みなどが主な症状とされる。
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