出会い新鮮 ボードゲームが広げる人間関係ひとつの机囲んでワイワイ

机の上にボード(盤)やカードなどを並べるゲームで、仲間との駆け引きを楽しむ人の輪が広がってきた。初対面の人とも一緒に遊べる場所が増加。インターネットを通じた口コミやイベントなど、知るきっかけも多彩になり、新たな人間関係が生まれている。

「サイコロ振り直しちゃダメ?」「ダメダメ。人生は1回限りの勝負さ」――。2月下旬の木曜夜8時すぎ、東京・渋谷の路地裏にあるイベントスペース「ジェリージェリーカフェ」に悲鳴と笑い声が響いた。男女5人のグループが興じていたのはカジノの雰囲気を疑似体験できるゲーム「ベガス」だ。

初対面でも遊べる

週1回程度開かれる「ボードゲームナイト」に集まる顔ぶれは学生から仕事を終えた会社員まで様々。この催しで遊び、知り合いになるケースも多い。会社員の久保能哉さん(22)もゲームを通じて仲間が増えたひとり。「友人宅で遊んだゲームが面白くて、ネット検索でこの店にたどり着いた。いろいろな人と遊べて楽しい」と笑う。

会社員や学生らが集まってゲームを楽しめる場が増えてきた(東京・神田)

隣の机では架空の無人島に入植し、家や道路を造って開拓の進み具合を競う「カタンの開拓者たち」を楽しんでいた。カタンは日本選手権が開かれるなど人気を集める。

こうしたボードゲームは、運頼みの面もあるが、判断の速さや記憶力、手先の器用さなど種類によって求められる要素は多様。勝敗を競う以外に皆で協力して目標達成を目指すものもある。同じ場所と時間を共有する一体感や達成感、知恵を絞る駆け引きなどが面白さにつながる。専門店や通販サイトなどで購入でき、1千円台から5千円前後までのものが多い。

開店して3年目。オーナーである兄の影響でゲームに親しんできた店長の白坂麻衣さん(26)は「店で遊ぶ人は年々増えてきて、年齢層も20~50歳代と幅広い。ここで出会った人がツイッターなどのSNS(交流サイト)でつながり、新たな仲間を引き込んでいる」と話す。

東京・神田の「デイドリーム」では、物語の登場人物になりきり、サイコロなどで行動の成否を決めながらストーリーを進める会話型ゲーム「TPRG(テーブルトークロールプレイングゲーム)」が人気。平日夜でも20人、週末は40人ほどが訪れる。

「学生時代にやっていたが、しばらく離れていた。店の存在を知って会社帰りにふらっと立ち寄るのが楽しみ」と話すのは滑川毅さん(38)。休日は素手で壁を登るスポーツのボルダリングなども楽しむが、社会人になって難しくなった同じ趣味を持つ人との出会いが新鮮だという。

夫婦で楽しむ人もいて、全くの初心者も増えた。白柿千穂さん(41)は客として通ううち、スタッフとしても働くようになったほど。女性の姿も珍しくない。

店を経営する岡田篤宏さん(34)は「ここ2~3年は特に動画投稿サイトでゲームを遊んでいる様子をみて興味を持つ人が増えた」と話す。スカイプ(ネット電話)を使って遊ぶなど、デジタル機器も上手に採り入れながら仲間と交流を深めている。

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