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「ライカ」で撮ったモノクロ写真集を出版 バリトン歌手 甲斐栄次郎

2014/2/25

 ウィーン国立歌劇場専属ソリストとして最後のシーズンを迎えた2012年9月、初の写真集「ライカで綴る古都ウイーン--音楽が聞こえるモノクロームの風景--」(アートデイズ刊)を出版した。

■大学院1年生で本格的撮影に開眼

 子どものころ、父が家族写真を撮る時にいつも、「自分でも撮ってみたいな」と思っていた。様々な雑誌の美しい写真をながめていて、そのような写真を自分でも撮りたくなった。

ウィーン市庁舎の回廊で

 本格的に始めたのは東京芸術大学音楽学部の大学院1年生の終わりころからだった。

 以前はズームレンズ付きのコンパクトなオートフォーカス(AF)カメラ。友だちを写したり、奈良・東大寺のお水取りの撮影に出かけたりした。だが自分が素敵だなと思ってカメラを向け撮影しても、仕上がった写真は、どれも納得のいくものではなかった。やはり腕が足りないのではと考え、一から勉強するため、中古の一眼レフカメラを購入。「まずは良いなと思う写真をまねる」ことから始め、行きつけの古書店で古いカメラ雑誌や専門書を買いあさったりもした。子どものころからの凝り性。カメラの世界にも、どっぷりはまっていった。ニューヨーク留学中はモノクロフィルムとカラーポジフィルムを併用、レッスンの行き帰りに、遠回りをしてはマンハッタンの活気あふれる光景や人々の姿を撮り続けた。

 2003年春。留学先のボローニャから一時帰国し、小澤征爾オペラ・プロジェクトの「ジャンニ・スキッキ」(プッチーニ)に出演した。稽古先のよこすか芸術劇場へ通う道中、いつものようにカメラや写真に関する本で時間をつぶそうと書店に立ち寄ると、ライカの片仮名三文字が目に飛び込んできた。

ウィーン国立歌劇場正面(撮影=甲斐栄次郎)

 ドイツ製カメラのライカはモデルチェンジを重ねつつも、撮影に必要な最小限の機能に徹し、基本構造は変えていない。世界のプロ写真家が愛用してきた逸品、あるいは道具である。新品では国産カメラの数倍の値段がするので、中古カメラショップを何軒も訪ねた末、手ごろな価格のブラッククロームの「M6」型(1994年製)を手に入れた。

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