老化を感じるシーンその2 「酒が弱くなった」

50を過ぎたころから酒量が落ちてきた。酔うのも以前より早く、すぐに眠くなってしまう。これは老化なのか。

松下氏によれば「これも当然のことで、心配いりません」。人間の臓器は年齢を重ねるにしたがって、徐々に小さく縮んでいく。肝臓も例外ではない。アルコールをアセトアルデヒドに分解する酵素の数も、年とともに減っていくのが普通だ。酒を体内で処理する能力が落ちていくのだから、若いころのように飲めなくなるのは当然だ。

一方、分解酵素の数は鍛えれば増える性質のものだという。毎日のように飲んでいる人が強いのはこのため。少量の酒を毎日飲んでいる人の方が長生きするというデータもあるそうだ。どうせ飲むなら、活性酸素を減らすポリフェノールを多く含む赤ワインを、チョコレートをつまみに飲むのが、シニアにお勧めだそうだ。

老化を感じるシーンその3 「朝早く目が覚めてしまう

50を過ぎたころから、朝、長く寝ていられなくなった。以前なら休みの日はお昼くらいまで眠っていたのに。最近は夜遅く寝ても早朝に目が覚めてしまう。2度寝も前より難しくなった。困ったことにランチの後、会社で眠くなってしまう。

昼と夜の生活リズムを調節する脳内物質の分泌が減るために、早起きになる

松下氏に言わせると、「これも気にする必要はないです」。太古の時代、哺乳(ほにゅう)類の先祖にあたるくらいの生物は、脳の天井部分に穴が開いていて、太陽の光をじかに感じることで昼と夜を認識していたという。その名残りからか、今でも人間の乳児は生後1、2年まで、「泉門」という頭蓋骨の天頂部分がふさがっていないそうだ。

昼と夜のリズムをうまく調節するために、脳はメラトニンという物質を分泌している。夜になると、この分泌が増え、眠れる仕組みになっている。加齢とともに分泌は減るので、朝早く目が覚めてしまうのは当然のことだという。

松下氏がお勧めなのは短時間の昼寝だ。オフィスのいすにもたれて、10分でもいいから眠ると、すっきりする。

老化を感じるシーンその4 「スケジュールをつい忘れてしまう」

その日の予定は手帳に書いてある。朝、会社に着いたら確認する。それでもポカッと忘れてしまい、内線電話で「会議始まってますけど……」と言われ、慌てて駆けつける。老化だろうか。

松下氏によると「これは人によるでしょうが、しいて言えば、毎日が平穏な人に多いようです」。次に何をすべきか。常に認識し、行動するためには、脳が常に活発に動いている必要がある。こうした機能は、危機を感じるほど高くなる。危うい目にあっている回数が少ない人は脳が緊張感を持たず、こうした失敗が多いのだという。

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