結婚は最高の財テクNPO法人フローレンス代表理事 駒崎弘樹(5)

前回の記事(「あなたにしかできない仕事はない」)について、読者の皆さんからいくつかのコメントをいただきました。

駒崎弘樹(こまざき・ひろき) 1979年東京都生まれ。99年慶応義塾大学総合政策学部入学。在学中よりITベンチャー経営に携わる。卒業後フローレンスをスタート、日本初の「共済型・訪問型」の病児保育サービスとして展開。13年4月に内閣府「子ども・子育て会議」委員に就任。 一男一女の父であり、子どもの誕生時にはそれぞれ2カ月の育児休暇を取得。

多くあったのが「フローレンスは非営利組織(NPO)法人なのに、文章中でベンチャー企業と表現しているのはどういうことなのか」というご質問でした。これについてお答えできればと思います。

NPO法人と株式会社の違いは株主に利益を還元するかどうかであって、NPOも企業も実際の運営面では変わりません。NPOというとボランティア団体と勘違いされるのが日本ですが、赤字にせずに運営しなくてはならないという意味ではほとんど同じです。事業を行い、それによって社会的課題を解決するNPOを社会的企業、その手法をソーシャルビジネスと言うようになってきています。

フローレンスも社会的企業で、立ち上げ時はほとんどベンチャー企業と一緒でしたので、こういう表現をしています。

さて、前回も「立ち上げ時は忙しい」という話をしました。そして最近よく20代の後輩に相談されるのが「まだまだ一人前じゃないから結婚できない」というものです。では「一人前」っていつなるのでしょうか。

「一人前」っていつなるの?

「年収がだいたいこのくらいになったら……」。20代の彼は答えます。けれど、年収が上がる保証なんて、残念だけどどこにもない。今回はこうした若い人達に向けて語りたい。

一人前になるのを待つとどうなるか。結婚もできないし子どもも持てないのが現実です。男性はまだしも、相手の女性にはタイムリミットがあります。

そもそも、「一人前にならないと結婚できない」っていうのは嘘なんです。仮に年収1000万円以上が一人前だとしたら、20代男性の1%もいない。それを目指すのは現実的な選択肢とは言いがたい。

けれど夫も妻も正社員であれば、それぞれ年収300万円程度稼ぐことはある程度可能です。日本の平均世帯年収は550万くらいなので、2人合わせれば一気に日本の中流以上になれる。どちらか片方がパートでも、平均ちょっと下以上にはなれる。

だから、男性が「一人前」にならなくても、今すぐにでも結婚しちゃえばいいんです。ワーキングカップル化すればいい。

「大黒柱ヘッドギア」を外せ

そのために、僕は「まずその脅迫的な大黒柱幻想、『大黒柱ヘッドギア』を男は外せ」と唱えています。

その場合、妻にも働き続けてもらわないといけないので、妻が働き続けられるような環境を夫が率先して構築しなくてはならない。夜の9時、10時に帰ってきて「メシ」みたいなのは当然あり得ません。ちゃんと定時か、少しの残業で帰ってきて、妻とともに家事・育児を日常業務として行う。