高層マンション住民 規模生かし、行政・企業動かすバス増便、“交番”設置…

タワーマンションが全国に続々と誕生している。完成すると地域の人口が一気に数千人規模で増えることが珍しくない。その数のパワーを生かして、自分たちで住みよい街を作ろうとする取り組みが始まっている。

自分たちで「住みよい街」へ 行政に施設要望 

武蔵小杉駅周辺の住民主導で行われた「コスギフェスタ」(川崎市中原区)

「声をあげれば行政は動くんだな」。東京・有明のタワーマンション「ブリリアマーレ有明」の管理組合理事長、星川太輔さん(37)は、自分たちで声をあげた成果にほほ笑む。有明と東京駅丸の内口を結ぶ都バスが4月から平日、往復約60便走り始めた。

マンションは1085戸。近くにもタワーマンションがあり、計5棟で住民は7000人超。5棟の管理組合の理事会で「有明マンション連合協議会」をつくって3年目。星川さんは3代目の会長だ。

有明は東京駅から5キロ圏なのに、平日に直接つながる公共交通手段が少なく不便だった。陳情の勝手も分からず、まず都バスを運行する都交通局に打診した。「区を通してほしい」と言われ江東区交通対策課に相談。区から都に働き掛けてもらって、新たな平日運行が実現した。今後の再開発で造ってほしい施設や道路なども区の再開発担当部署を通じて求めている。周辺は2020年の東京五輪の施設予定地。急速に進む街づくりに住民の希望をいかしたい考えだ。

協議会の結成は、運営に不慣れだった管理組合同士の情報交換会が発端だった。なぜ管理組合が集まって、街づくりにまで声を上げるのか。

マンションの資産価値を高める

ブリリアマーレ有明の管理組合副理事長、池崎健一郎さん(34)は「マンションの資産価値を高める上で、管理組合と協議会の目標は同じ」という。管理組合は建物の維持管理で価値を守る。マンションの価値の維持、向上には周辺環境が大切。だから協議会で一緒になって街の姿まで考える。人生最大の買い物である家の価値を守るのに、住民パワーをいかさない手はない。タワーマンションには人口という数の力がある。

20階以上のタワーマンションは、総務省の調査では08年に全国で約900棟だった。不動産経済研究所によると12年までに約300棟増えた。地方都市にも広がり、13年以降も計約10万戸が誕生する見通し。

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周辺企業と連携、民設の“交番”
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