「当たり前」は当たり前じゃないNPO法人フローレンス代表理事 駒崎弘樹(3)

駒崎弘樹(こまざき・ひろき) 1979年東京都生まれ。99年慶応義塾大学総合政策学部入学。在学中よりITベンチャー経営に携わる。卒業後フローレンスをスタート、日本初の「共済型・訪問型」の病児保育サービスとして展開。13年4月に内閣府「子ども・子育て会議」委員に就任。 一男一女の父であり、子どもの誕生時にはそれぞれ2カ月の育児休暇を取得。

僕らが生きているなかで「当たり前」だと思っていることは、案外当たり前ではないことがあります。自分で自分の限界を決めているとき、ありませんか。

思考の枷を外そう

世の中には、問題意識はあるけどこれまでまったく進まなかった問題がたくさんあります。待機児童や病児保育の問題が典型的です。

新聞を読んで「ああこれは問題だ、でも難しいですね」と初めからあきらめてしまう。思考に枷(かせ)をはめているんです。

でもちょっと問うてみたらいい。「何があればこの問題が解決するの? 何をやればいいの?」と。

口に出してみれば意外に当たり前のことだったりするんです。「子供が熱を出した。だったら誰かに預かってもらえばいい」というような。「預かる施設がないなら家で面倒見ようよ」とか。ただそれだけです。当たり前のことをやるかやらないか、それだけの違いだと思います。やっちゃえばいい。

「社会問題」という社会問題はない

実は、「社会問題」という社会問題はありません。一つ一つは「Aさんの障害児の問題」「Bさんの子供が保育園に入れない問題」なんです。

それぞれの解決策はあるはずだから考えればいい。そしてそれを制度化していく。そうすれば自然に大きな「社会問題」につながっていくんです。

そうやってできたものの一つが、我々が始めた「おうち保育園」です。これはもともと、うちの社員が子供を産んで育児休暇を取って、さあ戻ってこようというときに待機児童になってしまって戻れない…というところから始まったんです。

最初はこの子のために保育園を作ろうかな、と思っていたのですが、いろいろルールがあって難しかった。保育園って子供が20人以上いないと認可されないんですね。20人以上となるとかなり広い部屋が必要ですが、そうなると都市部ではなかなか作れない。20人という数に合理的な理由があるのかなと思っていろんな人に聞いたら、人間工学的にはじき出された最適解ではなく、ただ「決まってるから」と言われてしまった。