イクメン、働くママの気持ち分かる 職場に好影響

育児・家事を積極的に分担して、「イクメン」を目指したい――。そう思っても、ハードルが高いと感じる男性は今も多いだろう。だが一歩踏み出すことで、視野が広がり、仕事に好影響を及ぼすこともある。働く女性への後押しともなる。奮闘する「イクメン」の姿を追った。

長時間労働の是正に

NTT東日本ネットワーク事業推進本部サービス運営部の新浜睦欣さん(34)は3月から生活が大きく変わった。妻が育児休業から職場復帰するとともに、本社内の事業所内託児所「DAI―KIDS初台」を利用することになったのだ。

託児所へは新浜さんが連れていき、迎えは基本的に妻の役割だ。しかし迎えのために残業ができないと、妻はどうしても仕事がたまる。「ときには帰宅時間を気にせずに思い切り働ける日が必要だろう」と、新浜さんから妻に「忙しいときは代わるよ」と提案した。

妻がずっと働けるようにサポートしたいという思いは強い。とはいえ、新浜さんが仕事を終えるのは、普段なら早くても午後8時ごろになる。迎えの日は午後6時退社だ。工夫して働かないと、迎えに間に合わない。仕事に優先順位を付けて、無駄なく効率的に働くように心掛けている。

男性が「イクメン」を目指すハードルは高い。少子化社会対策白書によると、6歳未満の子どもがいる父親の家事・育児時間は1日平均で1時間7分だ。欧米諸国に比べ、3分の1程度にとどまっており、政府目標2時間半(2017年)への道のりは遠い。

背景にあるのは、長時間労働や、職場や社会の意識の問題だ。特に子育て期にあたる30代男性の場合、週60時間以上働いている人が全体の2割を占める。

ただ、長時間労働の是正や働き方の見直しはここ数年、大きなテーマとなり、改善に取り組む企業も増えてきた。男性が子育てに積極的にかかわることは、一人ひとりがより生産性の高い働き方へと意識を変えるための一歩になりうる。

コクヨファニチャーのワークスタイルコンサルタント、鈴木賢一さん(41)は小学生の子ども3人がいる父親だ。共働きの妻と育児を分担するなかで「時間の使い方と、仕事の組み立て方が大きく変わった」。

「何時までに終える」と決めたら集中してあたる。1日の予定はグループ内で周知徹底し、効率的に仕事ができるよう情報端末もフル活用する。生活時間も夜型から朝型に完全に変わった。大変なはずだが、「子育ては楽しく、自分の視点が増えるチャンスでもある」と積極的だ。

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