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ブームの予感(日経MJ)

2013/7/28

ブームの予感(日経MJ)

価値急落のリスクも

米電子部品販売会社の日本法人代表のロジャー・ヴィアさんは仕入れ先の中国メーカーへの支払いにビットコインを使う。月数百万円分の決済はほぼ一瞬。送金や為替に関する手数料もかからない。

従来は取引銀行がドルを人民元に換え、中国側が取引する香港の銀行に送金するため、かなりの手間と手数料がかかっていた。「ビットコインは国境を越えた取引に威力を発揮する」と話す。

会社員の宍戸健さんは資産の一部をビットコインで持つ。ビットコインは流通総量がプログラムで決められ、金のように有限で「金融危機が起きれば、金やビットコインにマネーが集まる」とよむ。

ただ、リスクもある。年初に1BTC=13ドル台だったビットコインの対ドル相場は4月に266ドルまで急騰した直後、70ドル台に急落。金融コンサルタントの野口能也さんは「日常で使うのは危険」と指摘する。

記者の感想としては、米サイトでのネット通販でも決済は一瞬で手数料もゼロのケースが多く、使い勝手は悪くない。ただ、保有するビットコインがいきなり無価値になったら、という不安も残る。円をたくさん交換して、使おうという気にまではならなかった。

ビットコイン 2009年に誕生したネット上の仮想通貨。開発者は日本人「中本哲史」や欧米のハッカー集団など諸説ある。マネーロンダリングや麻薬など不法なものを購入する時に使われる懸念もあり、米財務省は今年3月に仮想通貨の規制指針を公表。取引所は規制の対象とし、登録を義務付けた。

(横山雄太郎)

〔日経MJ2013年7月24日付〕

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