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職場の知恵

育て日本流の寄付文化 子ども向け教室で浸透へ

2013/7/23

職場の知恵

先進国のなかで、個人の寄付金額が少ないといわれる日本。東日本大震災では多くの人が寄付を経験したものの、依然として善意を届けたくても何をすべきかわからないという人は多い。そうした溝を埋めようと、NPO法人などが動き出している。

「この団体は国内で難病に苦しむ人を長期間支援している。寄付金を有効に使えると思う」「いや、こっちの団体は貧困に苦しむアフリカの子どもを救う活動をしている。子どもの命を救うほうが緊急性が高いのではないか」――。今年3月末、福山暁の星女子中学・高等学校(広島県福山市)で開かれた「寄付の教室」で、中学1年~高校2年の生徒約50人が、寄付について学び、活発に議論した。

参加希望校が増加

「寄付の教室」が開かれ、生徒たちは寄付や支援団体について学んだ(1月、名古屋市の椙山女学園大学付属小学校)

この取り組みは、寄付の普及を目指すNPO法人、日本ファンドレイジング協会(東京都港区)が、子どもの頃から寄付に親しんでもらおうと、2010年に始めた。寄付が社会に与えている影響や、NPO団体の活動などについて教える。その後、グループワークでどの団体を支援するのが効果的かなどを議論させる。参加希望校は年々増えており、3年間で1500人以上の生徒が受講した。

福山暁の星女子中学・高校では、生徒が自主的に数十年前から寄付を実施してきた。しかし「寄付金がどう活用されているのか、深く考えていなかった」と同高校3年生の和田里奈子さん(17)は話す。「世の中には様々な問題があり、支援が必要な人が多いことを改めて知った。きちんと支援先を調べて寄付する重要性も学べた」と力を込める。

6年生がこの授業を受けた椙山女学園大学付属小学校(名古屋市)でも生徒から「途上国では5歳未満で死んでしまう子どもがいることを知り驚いた」「自分が進んで支援すれば誰かを助けられるとわかった」といった声があった。

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