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裏読みWAVE

世界で変身したカップヌードル、食文化の縮図 編集委員 小林明

2013/7/19

ここまで調べると、具体的にどんな味なのか実際に食べてみたくなってきた。そこで日清食品の協力を得て、いくつかのサンプルを入手した。

■EU版――欧州煮込み鍋風?

最初に試したのがEU版。麺と言えば、欧州ではイタリアのパスタが頭に浮かぶくらい。麺文化はそれほど歴史がない。だから、日本で生まれたカップ麺がどんな形で普及しているのか、興味を持ったためだ。


フタを開けると、黄色い粉末のついた麺が見えた。具材はコーンや細かく切ったニンジンなどの野菜類。彩りはよくバランスが取れていて食欲をそそる。香りをかぐと、チキンスープのにおいが漂う。

熱湯を注いで約3分。早速、試食する。スープはブイヨンや香辛料が利いていて、いかにも欧州風の味わい。麺は日本の半分程度の長さなのでフォークに巻き付けて食べるのには便利だ。ただ、麺を「すする」ことに慣れた日本人にとっては、やや物足りない感じがしないわけでもない。

全体的には、欧州風の煮込み鍋に麺がはいった料理というイメージ。欧州の人の味覚にはこの方がなじみやすいようだ。日本人は「だし」の文化に慣れているので新鮮に感じた。容器が熱を通しやすい材質のせいか、熱湯が入ったまま持つととても熱い。欧州では冷まして食べる人が多いのだろうか。

■米国版――スープ以上、食事未満

次に試食したのが米国版。これもスープはチキン風味だ。「米国ではチキンスープがお袋の味という人が多いため」(日清食品)らしい。ただ南西部ではシュリンプ(小エビ)系の風味やチリ風味の人気も高いそうだ。


熱湯を注いでから、試食する。スープは塩気が薄くて軽い。脂分が表面に浮いていないので、比較的あっさりしている。具も少なく、腹にたまる感じは少ない。おやつ感覚という感じ。麺は短めだが、縮れ具合などは日本版と変わらない。

ふとパッケージを見ると、「MUCH MORE THAN A SOUP」(スープよりもかなり多い)という表記が目に入った。「スープ以上、食事未満」という位置づけなのだろうか。日清食品に確認すると、「ラーメンとして押しつけるのではなく、麺の多いスープ・ヌードルという位置付けで売り込んでいる」という。「ビーフからチキン」という味覚のトレンドの推移も意識したらしい。あっさり感が物足りない人には、独自に具材を盛り込むなどの工夫をするともっと楽しめるかもしれない。

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