一時は日本を代表する輸出品として、欧米でもてはやされた真珠だが、この20年の生産量はバブル期末期の1993年の73トンを頂点に減ってきており、2010年には21トンとなっている(漁業・養殖業生産統計年報=農林水産省)。中国の内陸の湖で生産される淡水真珠や、「南洋だま」と呼ばれるオーストラリア産などの輸入物に押されているのが実情のようだ。

若い世代にも真珠に親しんでほしいと語る森永のり子さん

ただ欧米では真珠養殖のパイオニアである日本ブランドへの信頼はなおあついという。

真珠養殖120年、日本ブランドの重み

この7月11日は1893年に御木本幸吉が真珠の養殖に成功した記念日とされ、今年で120年になる。当時はまだ完全な球状でなく「半円真珠」だったが、真珠養殖の第一歩が記された日として、アコヤガイの放流などの行事が行われている。

戦後日本に進駐した米軍兵士らが、帰国する際にこぞって買い求めて“特需”が起きたこともあり「真珠養殖=日本のお家芸」のイメージは日本人が思っている以上に、海外に残っているようだ。

こうした伝統をお膝元の日本でこそアピールしたい、という森永さんらは若い世代を対象としたイベントを計画している。

業界団体である日本真珠振興会が主催する「パールデザインコンテスト」。若い世代にも真珠への関心を持ってもらうのが狙いで、大学や短大、専門学校生らが対象。単体のジュエリーとしてのデザインやトータルコーディネートといった部門が設けられている(内容はHP、http://pearldc.jpへ)。

コンテストの入賞作品は10月、東京・日本橋で開催される「きものサローネ in 日本橋」で披露されることになっている。

コンテストの実行委員を務める森永さんは、事前にいくつかの大学を巡り、真珠に関する“出張講座”を開いたという。手応えは上々で、真珠の見立てなどについて「興味を持った」という声が寄せられた。

「日本の若い人たちに理解してもらうことが、真珠の魅力の再発見につながるはず」と森永さんは話している。