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ゆがみ、へこみは絶対ダメか 真珠の"誤解"点検

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合わせ方が難しいとか、高いのか安いのか判断がつきにくいといったイメージから、真珠のアクセサリーを敬遠する人も少なくないようだ。大手宝飾品会社などを経て、真珠を使った装飾品を扱う会社を興した森永のり子さんによると、誤解と情報不足が、世界に名をはせた日本の特産品の輝きを鈍らせているとか。真珠に親しむためのポイントを聞いた。

森永さんはミキモトなどで服飾、装飾品の専門知識を身につけたのちに独立、現在は真珠のアクセサリーなどを企画、販売する「パールエンジェル」を率いている。

森永さんによると、真珠に関する残念な"誤解"がいくつかある。「冠婚葬祭で身につけるもの」「ある程度の年齢にならないと似合わない」といった点だ。

ダイヤはもらうもの、真珠は自分で買うもの

身につける場面として、森永さんは欧米の流儀を参考にしたいという。「欧米では働く女性のステータスシンボルです。映画やテレビドラマに出てくる弁護士たちは仕事の場面でよく真珠のネックレスをしていますし、ヒラリー・クリントンさん(前米国務長官)やコンドリーザ・ライスさん(元米国務長官)が真珠の愛好家として知られています」。ちなみにダイヤモンドは女性にとってはパートナーである男性の力を示す宝飾品で、プレゼントしてもらうもの。真珠は自身の社会的な立場などを象徴する飾りで、自分で買うものということになっているという。

森永さんは「真珠=冠婚葬祭の黒服というイメージをまずぬぐいたい」と話す。

若いとあまり似合わない――。この見方はあながち見当外れではなく、要は真珠の大きさだという。

「若い人があまり大きな真珠をつけても似合いません。年齢を重ねた方が小さな真珠をつけていてもちぐはぐです。体格に関係なく、年齢に応じ、20代なら6.0~6.5ミリ、30代~40代は7.0~7.5ミリの標準的な大きさに、50代以上は大珠(おおだま)と呼ばれる8.0ミリ以上に、というのが基本的な考え方です」。自分の社会的な立場の象徴という考え方からしても、自然に年齢相応の大きさということになりそうだ。

人工的に管理された環境下とはいえ、自然のなかで、生き物であるアコヤガイが作る真珠は1個1個色合いも異なれば、微妙なゆがみなどが生じることもある。それぞれ個別の光を放つたまの中から、似た系統のものを選び出し、中心に向かって大きくなるように並べ、1本のネックレスにする作業自体、年季とセンスが問われるアートの世界だそうだ。

生産者や職人の手を経て世に出る真珠アクセサリーの多くは専門家のお眼鏡にかなったものであるはずだが、そこでユーザーサイドの嗜好とのギャップにぶつかることもあるという。

必ずしもピンクが似合うとは限らず

日本人の一般的な好みとして、ピンクで傷がないものを選ぶ傾向がある。ただ、その前に知っておいてほしいことがある、と森永さんは話す。

真珠生産の場でもピンクがいいとされ、黄みがかったものが出ると、その場で捨てられてしまうケースすらある。これはつまり、ユーザーサイドの"ピンク信仰"の反映。しかし、黄みがかった色みをハナから捨ててかかるのはもったいないことだという。「日本人の肌には黄味がかった方が似合うケースもありますし、個人個人でもどんな色みが合うか違ってきます」

しわやゆがみなどの「傷」がなく、真円に近いのが望ましいのは当然として、実際、限られた予算のなかで購入を検討する場合、どこを優先するかが考えどころになってくるという。

真珠の輝きの基礎となる真珠層を厚くしようと思えば思うほど、成長に時間がかかり、その分傷ができる可能性も高くなる。

日本産の真珠はおもにアコヤガイに、球状の核を入れ、その上に真珠層を形成させる。

薄く真珠層を巻くだけでも、商品にはなるという。早めに取り出せば、真珠層は薄いけれど「貝と海」という自然条件に長くさらされない分だけ、傷がつきにくく、真球に近い核の形状も保たれやすい。逆に真珠層を厚くしようとすると、さまざまなリスクが高くなる。

傷への抵抗感は容易にはぬぐえないが「傷ができるくらい真珠層が厚い真珠ととらえると、それは"本物"のあかしにもなってくるわけです」(森永さん)。

宝石としての真珠を考えたときにもっとも重視すべきは「テリ」と呼ばれる輝きだという。

限られた予算のなかで購入するときにはまず「テリ」を優先し、少々のゆがみやへこみは「それもまた真珠の魅力として楽しむ」という考え方もあり、ということらしい。

一時は日本を代表する輸出品として、欧米でもてはやされた真珠だが、この20年の生産量はバブル期末期の1993年の73トンを頂点に減ってきており、2010年には21トンとなっている(漁業・養殖業生産統計年報=農林水産省)。中国の内陸の湖で生産される淡水真珠や、「南洋だま」と呼ばれるオーストラリア産などの輸入物に押されているのが実情のようだ。

ただ欧米では真珠養殖のパイオニアである日本ブランドへの信頼はなおあついという。

真珠養殖120年、日本ブランドの重み

この7月11日は1893年に御木本幸吉が真珠の養殖に成功した記念日とされ、今年で120年になる。当時はまだ完全な球状でなく「半円真珠」だったが、真珠養殖の第一歩が記された日として、アコヤガイの放流などの行事が行われている。

戦後日本に進駐した米軍兵士らが、帰国する際にこぞって買い求めて"特需"が起きたこともあり「真珠養殖=日本のお家芸」のイメージは日本人が思っている以上に、海外に残っているようだ。

こうした伝統をお膝元の日本でこそアピールしたい、という森永さんらは若い世代を対象としたイベントを計画している。

業界団体である日本真珠振興会が主催する「パールデザインコンテスト」。若い世代にも真珠への関心を持ってもらうのが狙いで、大学や短大、専門学校生らが対象。単体のジュエリーとしてのデザインやトータルコーディネートといった部門が設けられている(内容はHP、http://pearldc.jpへ)。

コンテストの入賞作品は10月、東京・日本橋で開催される「きものサローネ in 日本橋」で披露されることになっている。

コンテストの実行委員を務める森永さんは、事前にいくつかの大学を巡り、真珠に関する"出張講座"を開いたという。手応えは上々で、真珠の見立てなどについて「興味を持った」という声が寄せられた。

「日本の若い人たちに理解してもらうことが、真珠の魅力の再発見につながるはず」と森永さんは話している。

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