エンタメ!

裏読みWAVE

インド版カップヌードルの謎? 日本食文化の挑戦 編集委員 小林明

2013/7/5

インドの「マクドナルド」のメニュー(一部)

■日清食品の対インド市場戦略とは?

顧客として想定しているのはやや高所得の若者層だという。

インド即席麺市場では食品の世界最大手、ネスレが「マギー」ブランドでトップシェアを握っており、それをインドのたばこ会社、ITCの「イッピー」ブランド、日清食品の「トップラーメン」ブランドや「カップヌードル」ブランド、ユニリーバの「クノール」ブランドなどが追い上げている構図。

日清食品は「地方の一般庶民にはパパママストアを通じた小口の即席袋麺『トップラーメン・ミニ』(35グラム、5ルピー)を売り込み、やや価格帯の高い『カップヌードル』は都市部の簡便性や流行を求める中間層以上の若い所得層に売り込む」という戦略を描いている。

同社の中期経営計画によると、インドを含むアジア地区(インド・東南アジアなど)の年間売上高を12年の40億円から15年には180億円に伸ばす目標。140億円という増加分は、中国・香港地区(114億円)、北米・中南米などの米州地区(119億円)、欧州・中東・アフリカ地区(77億円)など世界の他地域と比べても最も多い。特にインド市場に向けた意気込みは相当なものだ。

■「マクドナルド」もインド風に変身

「チキン マックグリル」の外観(写真上)と中身(写真中)。写真下はインド・ムンバイ市内の「マクドナルド」

少し話が脱線するが、インドの各都市で見かけた「マクドナルド」のメニューも面白い。インド独自のメニューが工夫されているからだ。

ここでも活躍するのはマサラ。ピリッとした辛みが特徴で、日本でおなじみの「マクドナルド」のハンバーガーとはかなり風味が異なる。

「チキン・マックグリル」を試食してみた。

中を開くと真っ赤な輪切りのトマト。そこにアオノリのような緑色の香辛料が入ったソースが見える。とても鮮やかな色彩感覚だ。

ガブリとかみ締めると、あの独特のマサラの風味が鼻の中に漂ってきた。このマサラがないと、おそらくインドの消費者は納得しないのだろう。やはり、日本人にとってのみそやしょうゆと同じような存在なのだ。

確かに、スーパーで売っているポテトチップスなどのスナック類にもこのマサラがよく入っていることに気が付く。パスタやピザを食べても、なぜか味付けはマサラ風味。「どこに行っても、街角に漂っている香りはマサラ」という不思議な現実が肌身で実感できる。

やはり、味覚の伝統は根本から一気に変わるものではない。日本で生まれた即席麺文化は、インドの習慣に適合しながら少しずつ姿を変え、「新たな食文化」として地元に根付きつつあるようだ。

エンタメ! 新着記事

ALL CHANNEL