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職場の知恵

ゴミ分別法や友達作り 大学の生活支援、ここまで 過保護との声も

2013/6/26

一人暮らしの注意点から友達の作り方まで、大学が学生の生活を手厚くサポートする動きが広がっている。専門的な研究や教育を行う場である大学だが、学生気質の変化に応じ、学外での生活や将来の人生設計まで目配りしている。「過保護では」と疑問の声もあるが、「未熟なまま社会に送り出すわけにはいかない」という責任感もあるようだ。

「養育費は月10万円でどう」「それじゃ足りない」、「子どもには週1で会いたい」「だったら慰謝料を上げて」。小さな教室の中、男女ペアになった学生が離婚協議を行っている。離婚が成立したところもあるが、こじれてけんかを始めるカップルもいる。

男女ペアになって離婚の条件を話し合う学生たち(福岡市の九州大学)

九州大学(福岡市)で昨年度から始まった、1年生向けの「婚学」授業の一幕だ。結婚や恋愛、出産をテーマにした少人数セミナーで、6月17日の授業では離婚問題を取り上げた。ゲストとして、離婚して2人の子どもを育てた女性が体験談を語った。両親が離婚した学生からは、「私は親が離婚して悲しかった。子どもは反対しなかったのですか」と質問も飛んだ。

婚学といっても、結婚するための恋愛テクニックを教えるわけではない。担当の佐藤剛史助教は「結婚を真剣に考え、幸せな人生を切り開くための力を身につけるのが目的」と話す。できちゃった婚と避妊や中絶、ドメスティックバイオレンス(DV)など、現実的な問題にも切り込む。

受講した農学部1年の木下理紗子さん(18)は、「結婚が身近に感じられるようになった。家族とも結婚について話し合っている」と話す。

■「学生の消費者被害減った」

ノートの取り方、ゴミの出し方、悪徳商法による消費者被害など、生活で必要な知識を新入生に教えているのが金沢大学(金沢市)だ。2006年度から全新入生を対象にした「大学・社会生活論」という必修科目を設け、毎年約1800人が受講している。

大学の理念や将来のキャリア形成といったテーマのほか、公共マナーも取り上げる。一人暮らしを始める学生も多いことから、ゴミの分別法やキッチンでの油の捨て方なども教える。自動車で通う学生も多く、交通マナーも重要なテーマだ。日本自動車連盟から講師を招き、シートベルト着用の重要性など安全運転のイロハを学ぶ。

受講している女子学生(19)は「映像を交えて教わるので分かりやすい」と評価する。「友人のなかには、わざわざ大学で学ぶ必要はないと文句を言う人もいる」というが、担当の古畑徹教授によると、授業を導入してから「消費者被害に遭う学生が減るなどの効果が出ている」。

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