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私はアーティストである 書家 柿沼康二

2013/6/25

今年11月23日から3カ月強の長期にわたり、金沢21世紀美術館(以下「21美」と呼ぶ)で個展を開催する。

■プリンストン大学で「客員書家」

形式が全く異なる大小7つのスペースをフルに使って新作、代表作、超大作、映像作品、インスタレーション作品が一堂に会する。自己最大の個展となる予定だ。

自作「喰」の前に立つ筆者(C)Shoichi Nose

21美が年間150万人を集客する、日本を代表する現代美術館であることは周知の通り。ここで個展を開く意味合いは、一言では言い表せない。画家やコンセプチュアルな現代アーティストにとってすら相当に狭き門。ましてや私は、書家である。

コンテンポラリーアートを主とする21美にとっても、私にとっても「書」の個展は初めての試みとなる。またしても柿沼康二が「ジャンル破壊」「コード破り」! 書は伝統のカテゴリーの中にあるというのが一般の認識だろうが、書に内在する最新の美術表現を打ち出すことが私のテーマである。

「書」「絵画」「音楽」などのボーダーラインを打ち破り、己のアートを現代美術の文脈に乗せる上で欠かせないステージへの半券を今、握りしめている。

「書はアートか」「己はアーティストたるか」の命題を掲げ、国内はもちろん、ニューヨークやプリンストンなど米国にも身を置きながら「書」をベースに、積極的な芸術活動に取り組んできた。1997~98年のニューヨークでは、かろうじて小さな足跡を記せたものの、心身ともズタボロになって帰国した。

屈辱や悔しさをバネにリベンジを果たすべく、その後毎年のように渡米しニューヨークのメトロポリタン美術館、紀伊国屋書店、アート・インスティテュート・オブ・シカゴ、シカゴ市内のギャラリーなどで個展や企画展、パフォーマンスを開き重ねてきた。2006~07年には名門、プリンストン大学から「客員書家」(客員研究員)としての招聘(しょうへい)という、この上ない名誉とチャンスを得た。大学内での様々な活動のほか、フィラデルフィア美術館やワシントンDCのケネディ・センター、リーハイ大学などへの展開を経て、97~98年に味わった思いに「落とし前」をつけることができた。

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