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「コネもない、学歴もない、何もない」ところからの起業

イマジナ社長 奥山由実子氏

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NIKKEI STYLE

 起業といってもいったい何から始めたら……という女性たちのための「ウーマンズ・イニシアチブ・フォーラム スキルアップセミナー」(主催=日本経済新聞社)が6月3日、東京で開かれました。米国で起業した経験を持つイマジナ(東京・千代田)社長の奥山由実子さんは講演で、「コネなし、お金なし、ノウハウなしの状態からどうやって事業を興したのか」をユーモラスに語り、来場者を勇気づけてくれました。その内容を紹介します。

渡米、そして「事前準備ゼロ」で起業

日本でOLをやっていましたが、男性ばかりの企業で上に上がれると思えず何度か転職しました。最後に勤めた企業向けの研修を手掛ける会社の経営者は主婦から起業した女性社長でした。その会社で「ニューヨークに行きたい」と言い続け、念願かなってニューヨークに赴任したのです。

ところが、英会話スクールに何十万円も払って渡米したにもかかわらず、スターバックスで注文もできない。つらいアメリカ生活でした。やがて出会った男性2人に誘われて起業することに。勤めていた会社の社長に相談したところ、「やりたいことをやったらいい」と背中を押してもらいました。しかし、事前準備ゼロのスタートでした。

始めた事業はアメリカに進出した日本企業相手の人事コンサルティングです。当時(1993年ごろ)、北米には1万2000社もの日本企業が進出していたのですが、いいものを作っていても企業の半分以上がうまくいかず撤退していたのです。

そこで、何に悩んでいるのかを聞いたところ、日本企業は宗教も人種も異なる人々を雇うことがうまくできなかった。すぐセクハラとかパワハラとかいわれて、訴えられてしまうんです。これだ!と思い「企業概況」(アメリカにある日系企業の情報を掲載した雑誌)のAからZまでの企業に、とにかく電話をかけて営業しました。

しかし、コンサルティングの経験もなかったので「なんで来たの?」と、断られる日々が続きました。勤めていたときに身につけた「営業力」と、企業研修をセールスしていた経験のみを頼りに、ひたすら会社を回り、400社のなかで獲得できたのは2社だけでした。それでもお客さんですから、うれしかったですけれども……。

勤めていたときは何千万円も稼げていたのに、一人になると全然うまくいかない。自分ではなく会社の看板に稼がせてもらっていたことに気付いて、本当に寂しい日々でした。

モチベーションを上げ続ける―2つの出会い

苦しい日々のなか、資金も尽きていきました。パートナーとごはんを食べるため、家中のコインを集めて、それでも家からソファが消え、ベッドやブランド物のバッグが消え、スーツや本がなくなっていく。家の中ががらんとしてくる様子を初めて体験しました。モチベーションも下がっていきます。そのとき、2つの出会いがあったのです。

1つはゴミ箱で拾ったアンソニー・ロビンスさんのCDです。ロビンスさんはビル・クリントン元米大統領やプロテニスのアンドレ・アガシ選手のメンタルコーチとして、世界一のコーチングをできる人として有名でした。見つけたとき、このCDは私のためにある、と思いました。

CDのロビンスさんはエネルギッシュな声で「あなたには無限の可能性がある。私はあなたに教えるのではない、引き出すのです。可能性はあなたの中にある」といいます。そうすると、「そうかなあ」と思いながら不思議とモチベーションが上がってきました。そしてさらに「あなたのテーマソングを作ろう」といわれたので、毎朝Queen(英ロックバンド)の「We Will Rock You」をかけることにしました(笑い)。自然と気分が上がり、不思議と同じことをしているのに営業がうまくいくようになりました。

2つ目の出会い―稲盛和夫氏

仕事がうまくいくようになり会社の人数が増えてきました。すると、今度はマネジメントで苦労するようになりました。特に人種も異なる人の扱いにくたくたになっていました。
 そんなとき、知人に誘われてニューヨークで開かれた京セラ・第二電電創業者の稲盛和夫氏の経営塾に参加したのです。どんなノウハウを話されるのかな、と思っていたのですが稲盛さんは「心をきれいに、よいことを行えばよいことが起きる」というんです。

驚きました。そして「一番に従業員の幸せを考えなさい、そのために誰にも負けない努力をしなさい」とおっしゃるのです。給料を払うことで精いっぱいなのに、と思いましたが、努力が足りなかったなと反省しました。同じころ、経営塾で仲間に会い、経営の苦しみと孤独が自分だけではなく、共通する悩みだとも知りました。

それからは付き合う友達も自然と変わっていきました。経営をしていると、もっとどうしたら会社を良くできるか、ということを考えていたいのですが、(勤めている)友人に会って話をすると、どうしても会社の愚痴などを聞くことになってしまうのです。「いやそうじゃなくて」と思ってしまう。最初は(それまでの友達と離れることに)傷つきましたが、仕方がないですね。

「即刻好きなことに時間を使うべき」―9.11を経験して

2001年9月11日、私はマンハッタンのオフィスにいました。たまたま11日にアポイントはなかったのですが、ワールドトレードセンターには私のお客様の企業が多く入っていて、前日(10日)にはそこを訪れていましたし、次の日(12日)にもそこに向かう予定でした。

11日、ニュースを見て、がくぜんとしました。もし自分がその場にいたらどうしていただろうと考えました。亡くなった人も多く、マンハッタン中のビジネスが止まりました。当時のジュリアーニ・ニューヨーク市長の決断は速かった。私のような外国人が経営している企業にも融資がありました。それで、私たちは従業員に6カ月分の給料を払えたのです。

これまでの経験から、私は「もし会社に行くのが嫌、と思うのなら即刻やめて好きなことに時間を費やすべきだ」とはっきり思っています。その後、私生活での離婚もあり2006年に帰国しました。一緒に起業した男性の一人と結婚したのですがうまくいかず、彼に会社を渡すことになりました。また一からスタートです。仕事ではうまくいったけど結婚ではうまくいかなかった。なかなか難しいですね(笑い)。それでもまた日本で一緒に起業するパートナーが見つかりました。

アメリカの女性進出の"実態"

アメリカは女性が社会進出しているとよくいわれているので、研究しました。分かったことはアメリカの女性たちがすごく努力している、ということ。親の介護、結婚、出産などのハードルなど関係ないというくらいに努力していました。こんなに努力してやっと男性と同等、という印象でした。それでも男性より女性の報酬は平均で2割くらい低いはずです。

日本では育児をしながらの起業は難しいのでは、と感じる方も多いと思いますが、私は子どもにも分かってもらうことが大切だと思う。お母さん起業するから、もしかするとおかずが一品減るかもしれないよ、とか(笑い)。アメリカで15年過ごしてから帰国したとき、日本は相変わらず男性社会だと痛感しましたが、最近少し変わってきたように思います。ファーストリテイリングや楽天が英語を公用語にした2年ほど前から、日本企業全体のグローバル意識が変わってきたように感じます。

起業を目指す人、新しいことを目指す人へ

とにかく自分が自信のあること、もしくは好きなことで勝負し続けて、探し続けることです。そうすると、経験が少しずつできてきて強くなります。少し人にアドバイスができるようにもなるし、自信もついてくる。そして、常に自分の"商品"のセールスマンでいてほしい。製品がすばらしくても倒産した企業はたくさんある。学歴がなくても、コネがなくても、お金がなくてもいい。持っている人に頼めばいいんです。(できる)誰かと一緒にやることが大切です。

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