「稚拙でアホだった」復帰の南場智子氏すべてを語るDeNA創業者、初の自叙伝「不格好経営」

2013/6/10

夫の病気を機に社長を退いてから約2年。今年4月に職場復帰したディー・エヌ・エー(DeNA)創業者の南場智子氏が、このほど初の自叙伝「不格好経営」を出した。起業や資金調達の苦労、会社の急成長、そして退任まで。生い立ちなど私生活も織り交ぜながら、DeNAの歴史を赤裸々につづっている。ブログや寄稿なども定評がある南場氏の半生記だけに、読み物としても興味深い。表舞台に帰ってきた彼女が2年ぶりにインタビューに応じた。

「テックの本棚」はテクノロジー関連の企業経営者やインターネット業界のカリスマ、世界を舞台に活躍する技術者など、話題の書籍の著者に話を聞く新シリーズ。インタビューを通して、テクノロジーのトレンドやそれを創造している人々の思いをあぶり出していく。

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津田塾大学卒業後、経営コンサルティング会社のマッキンゼー・アンド・カンパニーでパートナー(役員)まで上り詰めた南場氏は、1999年に起業を決意。DeNAを国内随一のネット企業に育てるも、2011年6月、夫のガンが発覚したのを機に社長を退任した。非常勤の取締役として残ったが、ほとんどの時間を夫の看病に費やしていた。
「やっぱりDeNAっていうチームが一番好き」

――なぜ今回、自著を書こうと決めたのか。

「私はどんなものであっても、文章を書く以上は自分で書きたいんですね。たくさんの方がインタビューしたいと、そしてそれを本にしますと仰ってくれたんだけれど、どうしても嫌だった。じゃあ自分で書こうとなると、とてもじゃないけど、現役社長時代は余裕がなくて無理。社長を辞めた後も、夫の看病というか、一緒に闘病してたという感じで、ヒマになったわけではなかった。でも、その事情が改善して、私に時間の余裕ができたんです」

「であれば、やり残したことっていうとアレですけど、自分が(DeNAの)社長だったときの夢ってまだ実現できていないので、そこ(職務)に時間を使おうと思った。それで昨年の年末あたりに職場に復帰しようと決めて、キリよく今年の4月1日に戻ることにしたんです」

「で、すでにそう決めた段階で時間の余裕はあったので、復帰までのあいだ何しようかなということで、1月から3月は本と格闘しようと決めた。1月4日、旦那の田舎から東京に戻ってきたその日から書き始めました」

失敗を乗り越えた歴史が「誇らしい」

――本書は、創業から今までのDeNAの歴史が赤裸々につづられている。本に残したいという気持ちや企画は、昔から温めていたのか。

「いつか、書きたいなぁとは思っていた。私、(マッキンゼーにいた)コンサルタント時代も起業してからも、いろんな会社を見てきたんだけれど、やっぱりDeNAっていうチームが一番好きなんですね。自分で作っておいて、そりゃそうだろう、って思われちゃうかもしれないけれど(笑)。まぁ、なるべく客観的に見ても、誇らしいと思ってるんです」