入学や進学のこの時期、新たに子どもにスマートフォン(スマホ)を買い与えた親も多いだろう。だが、従来型の携帯電話とは違い、スマホは小型のパソコンだ。人の目の届きにくいところで、そんな端末を持つ危うさを親は理解しているだろうか。世はスマホ時代。でも“スマホの奔流”に流されず、少し立ち止まって考えてみたい。
昨年のクリスマス。米国マサチューセッツ州の母親、ジャネル・ホフマンさんが当時13歳の息子、グレゴリー君にiPhone(アイフォーン)をプレゼントした際、自作の使用契約書をつけて手渡した。
修理代は子ども持ちに
そこには、「人をだましたり、バカにしたりすることに使わないこと」など、スマートフォンを使う心得が18条にわたって書かれていた。ブロガーでもあったホフマンさんがブログで公表すると全米で大反響を呼び、テレビなどで取り上げられる。それが「スマホ18の約束」だ。
米国ではフィルタリングが義務付けられていないなど、日本と携帯電話環境の違いもあることから、そのままでは日本では理解しにくい。そこでネット教育アナリストの尾花紀子さんは日本人にもわかりやすいよう意訳してアレンジしたバージョンを作り、今年2月に誰でもダウンロードできるようにホームページに掲載。すると、「教育委員会の広報誌に載せさせてほしい」「学校のホームページにリンクを張りたい」など大きな反応があった。
尾花さんは「18の約束」について、「6番目のスマホを持つことの責任、といったポイントも忘れがちで、私も初めて気づかされた。子どもが大人の責任の取り方を学ぶステップを、スマホの使用方法から教えられる」と効用を説く。
