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職場の知恵

カフェが仕事の拠点 ノマドワーク広がる

2013/4/1

営業の合間の空いた時間に、いちいち職場に戻っていては仕事の効率が低下してしまう。喫茶店で仕事をしようにも、携帯電話はかけづらいし周囲が気になり集中して仕事に取り組めない。そんな人で、街中のレンタルオフィスなどを仕事の拠点にする動きが広がっている。

■落ち着く雰囲気

広瀬さん(手前)は、営業の合間にマトメカフェで仕事をこなす

東京都心のJR神田駅から徒歩3分ほどのビル8階にあるマトメカフェ神田店。3月のある午後、スーツにネクタイ姿の男性3人が連れ立って訪れると、窓側に並んで席を取り、手慣れた様子でパソコンや資料を広げた。まるでオフィスの自席に戻ったかのようで、しばらくするとスマートフォンや携帯電話で取引先との会話も始まった。

訪れたのは大手旅行会社のグループ企業で法人営業を担当する広瀬啓太さん(28)と同僚たち。職場は神田駅から地下鉄で6駅離れた所にあるが、「外回りでは、営業が一段落するたびに職場に戻っていると非効率。最近は空いた時間はここを拠点に仕事している」(広瀬さん)という。

マトメカフェは2011年秋にオープンした。名こそカフェだが、飲食メニューはセルフサービスのコーヒーなど限定的。一方で40席ほどの空間は、パソコンや資料を広げたり商談をしやすいよう、用途に応じて様々な大きさのテーブルを選べるようになっている。無線LAN「WiFi」は無料で利用できるほか、コピー機、プリンターや携帯電話の充電ケーブルなども使えるオフィス仕様の空間だ。

この日は常時十数人が滞在。携帯電話や打ち合わせの声などでガヤガヤとするが、広瀬さんは「喫茶店だと親子づれなど様々な人がいて落ち着かないが、スーツ姿の人が多いここはオフィスと変わらぬ雰囲気なので集中して仕事ができる」と話す。

千葉市で不動産業を営むA男さん(65)は、取引先と1時間余り話し込んでいた。「最近の仕事は都内が中心。多い日はここで計15人と商談を持った」といい、同社では最近は10人ほどが同様の都内の店を拠点に仕事をしている。

■通信機器の発達がポイント

同様のオフィス空間はJR駅周辺など都市部で増えてきている。営業の合間などのすき間時間を有効に使えるうえ、パソコンやスマートフォンなど通信機器の発達が本来の職場以外での仕事をしやすくする。「個々の業務効率を上げるため、上司も利用を容認している」(広瀬さん)。

資格試験の勉強でこうした空間を利用する人もいる。千葉県柏市の自習室オークスタディー。同県内の企業で人事関係の仕事をしているB男さん(32)は簿記の勉強のため、毎週土曜日のほかに平日夜の週3日前後立ち寄る。「自宅だとついダラダラとしてしまうが、ここは終了時刻も決まっていて集中できる」といい、ここでの勉強ですでに行政書士の資格をとった。室内には声や音をたてないよう求める貼り紙があり、各席は間仕切りで仕切られている。

単なる仕事や勉強空間の提供にとどまらず、利用者や地域住民の交流など、人的なネットワーク拡大を後押ししようとする動きも出てきた。

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