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同学年では遅い生まれなのに 「早生まれ」の理由

2013/3/26

35年(昭和10年)3月16日の読売新聞「婦人」欄では、「今春就学期の私の子供! 入学させようか それとも延ばそうか? 軽率に就学を急いだらそれこそ一生涯浮かばれぬ!」という記事を載せている。早生まれの子どもが他の子どもに比べて物覚えや数を数えることが遅れているようなら、就学を遅らせるような措置が望ましい、とアドバイスしている。

■親の心配は世界共通

実は、親の判断で入学時期を遅らせることができる国では、この記事で提唱しているようなことも実際に行われている。

9月入学が一般的な米国では、州や地区によって、入学する年齢の区切りの日(カット・オフ・デート)が異なる。4月1日で一律に区切る日本では考えにくいが、9月のところもあれば、12月が区切りという地区もある。この区切りの日より誕生日が少し早い子どもがいる親は、早生まれの子どもを持つ日本の親と同様にやきもきするようだ。ただ、親の判断で入学時期を遅らせることも可能なため、スポーツや学力の面で不利になっては困るという理由から、1年入学を先延ばしにするケースもあるという。

英国では、民間の研究機関が2011年、子どもの誕生月と成績の関係を調査。通常、入学時期が9月の同国では、誕生月が8月の「早生まれ」の子どもに不利な点が目立つという結果を発表し、物議をかもした。留年や学年の飛び級などが珍しくなく、日本に比べれば年齢や学年による横並び意識が強くないとされる海外だが、子どもの成長を気にする親心は、どうやら世界共通のようだ。

プロ野球やJリーグなどスポーツ選手に早生まれが少ないとされる一方、元プロサッカー選手の中田英寿氏(1月22日生まれ)など、世界のトップに立つ選手もいる。生まれ月が子どもの将来に及ぼす影響についての評価は様々だ。生まれが早かろうが遅かろうが、希望を胸に新しい環境に飛び込むピカピカの新1年生に、心からの祝福を贈りたい。

(武類祥子)

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