ライフコラム

ことばオンライン

同学年では遅い生まれなのに 「早生まれ」の理由

2013/3/26

日本国語大辞典第2版(小学館)では、早生まれの由来を「4月2日以降に生まれた児童が数え年8歳で小学校に入学するのに対して、それより早く、数え年7歳で入学するところからいう」と解説している。

■「はやあがり」という言葉も

春の入学シーズンも間近に

小学校の入学時期は年度が新しくなる4月。4月1日までに満6歳になっている子どもが入学できるので、その前年の4月2日から年が変わって4月1日までの生まれが対象となる。そのうち12月31日までに生まれた子どもは数え年で8歳になっているが、1月以降生まれは1歳少ない数え年7歳になる。

現在はほとんど耳にすることはないが、早生まれの意味に近い言葉が、大辞林第3版(三省堂)で紹介されている。

「はやあがり:数え年7歳で小学校に入学すること。七つ上がり」

「おそあがり:数え年8歳で小学校に入学すること。八つ上がり」

数え年を使っていた昔の人々は、同年齢の中で早く小学校に上がるグループを「早上がり・七つ上がり(7歳で小学校に上がる)」、遅いグループを「遅上がり・八つ上がり(8歳で小学校に上がる)」と呼んで区別したのだ。これだと時系列的に矛盾がなくわかりやすい。

■国が満年齢を指導、「早生まれ」わかりにくく

日本が年齢の刻み方を、数え年から現在使っている満年齢に変更したのは明治時代。ただ、なかなか一般の人々にまで浸透しなかったため、国は1950年(昭和25年)に、国民は年齢を満年齢で言い表すよう心がけなければならないと規定。誕生日の前日をもって年齢を重ねる満年齢の考え方を、日本中に徹底させた。

数え年の習慣がなくなるにつれ、早上がりや七つ上がりという言葉もいつしか消えてしまい、かろうじて辞書の中に存在するだけになってしまった。今も残っていれば、早生まれという言葉がもっとわかりやすかったかもしれない。

ところで、早生まれの人々は、大人になれば同級生よりちょっと若いなど、メリットを感じることもできる。しかし子どもの間、特に小学校入学の頃は、体格や体力、発達などの面で同学年の子どもと差があるのではないか、と親の心配は尽きない。これは今に始まったことではなく、昔の親も同じように悩んでいたようだ。

ライフコラム 新着記事

ALL CHANNEL