2013/3/7

3つ星スイーツ

●ちなみに――紀元前4000年、エジプトの壁画に登場

今ではナチュラルチーズがずいぶん身近な存在になった

チーズケーキに欠かせないチーズ。起源ははっきりしないが、紀元前2000年ごろのアラビアの民話に次のような話が伝わっている。昔々、羊の胃袋で作った水筒に乳を入れ、ラクダにくくりつけて旅をしていた隊商がいた。のどが渇いて乳を飲もうとしたところ、出てきたのはみずっぽい液体と白い固まりだった。試しにその固まりを食べたところ、今まで食べたことのないおいしさだったという。羊の胃袋は酵素があり、歩いて揺られてる間に乳が固まり、チーズになったと考えられる。

他にも、紀元前4000年ごろのエジプトの壁画に製造法が描かれている。古代ローマ時代にはチーズは一大産業に育っており、ヨーロッパでは中世の修道院や領主に守られ、様々な種類のチーズが作られていった。

日本で今、食べているようなチーズが作られるようになるのは明治時代。消費が伸びたのは第2次世界大戦後で、食生活の洋風化などで弾みがついた。日本では長年、乳を固めて発酵熟成したナチュラルチーズより、ナチュラルチーズを加熱して固めたプロセスチーズが好まれてきた。ナチュラルチーズは発酵臭やかび臭さが日本人の好みに合わないとされていたが、ワインのお供に楽しむ人も増え、1988年にはプロセスチーズと消費量が逆転。今ではスーパーでもナチュラルチーズが何種類も並び、手軽に楽しむことができる。

●記者のひとこと――ウイスキーのつまみはビターチョコ

あなたはチーズケーキにどんなお酒を合わせますか?

今回はワインに合うチーズケーキがずらりと並んだが、お酒と相性がよいスイーツは他にもたくさんある。酒飲みの記者が好きなのが、ウイスキーとチョコレートの組み合わせだ。寝る前に本を読みながら、ビタータイプのチョコをかじり、ウイスキーをロックでちびちびと飲む。何ともいえない幸せな時間だ。毎年この時期はバレンタインでもらったチョコをつまみにするのだが、今年はほとんどもらえず、ちょっと寂しい。酒量が増えなくて、健康にはよいと自分を慰めている。

(田中裕介)

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●専門委員の横顔(五十音順)

下井美奈子さん

1973年生まれ。実家の母が菓子教室講師ということから、子どもの頃からスイーツの食べ歩きや菓子作りを行う。一般企業を退職した後、パリの料理学校「リッツ・エスコフィエ」で料理・製菓の資格取得。またパリの製菓料理学校「ル・コルドン・ブルー」「ルノートル」で学び、2年間のロサンゼルス在住中にも各国の製菓・料理を習得。情報サイト「オールアバウト」では立ち上げの2001年から、スイーツガイドを担当。多数のメディアで洋菓子情報を紹介するほか、商品開発、レシピ提供を行うスイーツコーディネーターも務める。共著に「TOKYO美食パラダイス」など。

下園昌江さん

1974年生まれ。大学卒業後、専門学校やパティスリーで製菓の技術や理論を学んでおり、製法にも詳しい。お菓子の食べ歩き歴は15年。近年は特にフランス菓子に力を入れ、フランスを巡るツアーや焼き菓子を中心としたお菓子教室も開催。監修本に「とびきりスイーツ見つけた!」。ウェブサイト「Sweet Cafe(スイートカフェ)」主宰。



平岩理緒さん

1975年生まれ。小学生のとき、訪れたデパートでスイーツの魅力に目覚める。大学卒業後、食品会社のマーケティングに携わる。2002年、テレビ東京の番組「TVチャンピオン」デパ地下選手権での優勝を機に、食の情報発信を本格化。退社後はフリーのフードコーディネーターとして活躍中。月に食べるお菓子は100種類以上。和菓子店での勤務経験もあり、和、洋菓子全般に詳しい。著書に「アフター6のスイーツマニア」(マーブルトロン)。コミュニティーサイト「幸せのケーキ共和国」主宰。