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フェイスブックで発信 オタク文化に世界がいいね!

サイト「TOM」けん引

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NIKKEI STYLE

 アニメ、コスプレ、フィギュアなど日本のオタク文化を発信するフェイスブック(FB)サイト「Tokyo Otaku Mode(TOM、トーキョーオタクモード)」のファン(購読者)が1月25日、1千万人を突破した。日本人運営のサイトとしては最多で、99%は外国人だ。世界的な「クール・ジャパンの窓」に育ったTOMの創設者、亀井智英氏(35)は今、収益モデルの構築という次なる目標へ着々と歩を進める。

情報発信力のなさを痛感

「ワンピース」「ナルト」「初音ミク」「ポケットモンスター」。TOMにはサブカルチャーの写真やイラストが毎日、豊富に掲載される。2011年3月の開設から今年1月下旬までの投稿画像数は約1万枚。ユーザーの国籍は多彩で、記事はほとんど英語だ。

亀井氏はTOMを着想した当時、インターネット広告会社の社員。国内外の企業に出向を繰り返す間に、日本の優れたコンテンツを巡る情報発信力の貧困さを痛感した。一方で注目したのが日本で普及途上だったFBの集客力だ。本業の傍ら、仕事で知り合った仲間とTOMを立ち上げ。当初はFBでの伝統工芸品の紹介を考えたが、新しい情報が出にくいためサブカルにテーマを変更した。

サイト開設前に海外の有名ブロガーら約100人にアンケートした。「調べたのは好きなキャラクターや自国でのアニメイベントの有無、情報を入手しているサイト、入手しづらいオタク商品など。すると、海外には日本のアニメや流行に関心を持つ人が多いのに、意外と日本のサイトを情報収集源として活用していないことがわかった」。大半が日本語表記で、情報が様々なサイトに散在しているのが理由だった。

亀井氏自身は「オタクの世界に詳しくないし、英語も得意でなかった」が「英語による、画像中心のオタク情報編集」にスタイルは決まった。この「総合性」が躍進の原動力となった。

東日本大震災の直後でもあり、開設当初1カ月間のファン数は1千人未満と伸び悩んだ。6カ月で10万人の「いいね!」という目標にはるかに及ばない。活路を開いたのはファンイベントや、ユーザー目線のコンテンツ編集の強化だった。

例えば「ナルト」の映画公開に合わせFBでお祝いしようと呼びかけたらどっとファンが集まった。FBに特別な「場」を設ければ根強いファンが口コミで話題を広げ盛り上がることを実感した。「掲載するのは自分たちが出したい情報でなく、ユーザーがほしい情報。コスプレ写真は、仮装文化があり頻繁にイベントも開かれる海外ユーザーが『いいね!』を押しやすい。こんな情報を積極的に発信した」

独自コンテンツが基本

海外ユーザーは日本の新しい、生の情報を求めている。だから掲載するのは「ネット上で収集した情報でなく、独自コンテンツが基本」。当初は亀井氏自身が取材して投稿したが、今はクリエーターやメーカーから直接提供されたり、自社の編集部が取材したりした画像と記事が多い。

そこで活躍するのが各国にいるボランティア「クラウド忍者」。日本語記事の翻訳や海外イベント取材を担う。翻訳100回で「忍者ネーム」という呼び名とメールアドレスの入ったTOMの名刺がもらえる。

すでにTOMには国内外の有力ベンチャーキャピタルなどが次々と投資している。亀井氏も収益化に本腰を入れ始めた。柱に据えるのは12年7月に開設した自社サイト「otakumode.com」で手掛けるネット通販と広告だ。

年内に始めるネット通販ではフィギュアや玩具を取り扱うが、これらは価格競争に陥りがち。そこで「メーカーとの共同企画など独自商品も検討している。広告はゲーム関連でテスト中。夏までに広告枠の販売を本格化する」。

集客力の高いFBを広告塔とし、自社サイトにユーザーを誘導する流れを目指す。スマートフォンのユーザーも取り込むために、写真を漫画のように加工するアプリ「オタクカメラ」も開発した。

「国内外に約350人いるクリエーターがTOMに提供するコンテンツが世界で評価され、それがお金を生み出せば、彼らに対して最高の形の還元になる」。ユーザーが参加して作り、ユーザーに報いる。そんな仕組みが発信力を磨くと亀井氏は信じている。

クールジャパン、収益力弱く 「輸出窓口」としての期待も

アニメなど日本のコンテンツは「クール・ジャパン」として評価される一方、収益面では世界で存在感を十分に発揮していない。デジタルコンテンツ協会によると日本のコンテンツ産業の市場規模は約12兆円だが、経済産業省の推計では09年時点で輸出比率はその5%程度にとどまっていた。こうしたなかで1千万人の海外ファンを抱えるTOMには、コンテンツだけでなく関連商品・サービスの輸出窓口としての期待がかかる。

米コンサルティング会社A・T・カーニーの梅沢高明日本代表はTOMを「日本発のポップカルチャー情報を集約しており、発信プラットフォームとしてパワフル」と評価する。すでに追随する動きも出ている。Euno(ユウノ、東京・港)は「かわいい」キャラクターを中心に情報発信するFBサイト「Kawaii Museum JPN」を12年6月に開設。6カ月で国内外300万人のファンを集めた。

海外のアニメイベントなどが集客力を増す今、コンテンツを収益に結びつける余地は年々拡大している。クール・ジャパンの「市場化」には、世界に開かれたTOMのようなプラットフォームと関連産業の協業も有効な手段となりそうだ。(上野宜彦)

 亀井 智英氏(かめい・ともひで) 1977年愛知県生まれ。2002年に電通子会社のサイバー・コミュニケーションズ(東京・港)入社。出向先のデジタルガレージや電通などでソーシャルメディア関連の仕事に携わる。
 11年3月にTOMを開設。独立して12年4月にFBサイトと同名の会社を米国デラウェア州に設立、社長に就任。12年10月に東京・台東にも日本支店を開設した。

[日経MJ2013年2月11日付]

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