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ブームの予感(日経MJ)

懐かしのソフトビニール人形 復活の不思議怪獣・ウルトラマン… 大人夢中

2013/2/24

ブームの予感(日経MJ)

1960年代の高度経済成長期に普及したソフトビニール(ソフビ)人形。一般には昔懐かしいオモチャと思われがちだが、今では多様な商品企画で大人の消費者をも魅了している。古いのに新しい、その不思議な市場の内幕をのぞいた。

注文受付後、瞬時に売り切れることも

メディコム・トイは小規模メーカーと連携し、独創的な商品も多数展開する(C)renovatio.lab

「最近は毎週のように新商品が出る。ファンも増えて入手競争は激しくなるばかり」。十数年来のソフビ愛好家という都内の40代男性は苦笑する。インターネット通販サイトに次々と新顔が登場するなかで、注目商品は「注文受け付け開始後、瞬時に売り切れることも珍しくない」という。

ホビー誌で専門コラム「そふび道」を連載する石坂和氏は「60~70年代に大流行し、90年代半ばと2000年代半ばにプチバブルがあった。ただ最近の人気ぶりは過去のブームと様相が違う」と話す。理由は購入者の変化。以前なら子供時代に親しんだ40代以上の男性が中心だったが、最近は10~20代男女が増えた。

特に大きな影響を与えたのが約3年前に参入したメディコム・トイ(東京・渋谷)。クマのフィギュア「ベアブリック」で知られる玩具メーカーだ。同社は新興メーカーからソフビを仕入れて販売。各社の独自デザインの怪獣なども扱った。

金型の投資額小さく、野心的な商品に挑戦

赤司竜彦社長は「ソフビは金型の投資額が小さく、既存商品に飽き足らない愛好家自らがメーカーにもなれる。市場活性化には、そうした可能性を示すべきと考えた」と話す。実際に独自ソフビの評価は高く、平均6000~7000円ながらネット通販で売り切れが相次いだ。

メディコム・トイが扱う「仮面ライダー」のドクガンダー(右)と「人造人間キカイダー」のグレイサイキング(C)石森プロ・東映
ラナの「エドネーション」は常に新色を展開し、若年女性という新規ファンをソフビ市場に呼び込んだ(C)Disney

その後、11年に「タイガーマスク」の悪役レスラーや「仮面ライダー」初期の怪人など、長らく販売が途絶していたキャラクターの自社製造を開始。こちらも販売は好調だ。「独自デザインでも過去のキャラでも、売れ筋に追随せず、今の市場にない商品の開発を優先できるのがソフビの良いところ」(赤司社長)

初期投資が低い分、多品種少量の野心的な企画に取り組みやすいソフビの長所に気付いた企業はほかにもある。

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