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ブームの予感(日経MJ)

友達の友達は社員候補 広がる「SNSでコネ求人」 IT業界皮切りに新たな職探しツールに

2013/2/17

交流サイト(SNS)でつながる「友達」のつてで、転職情報を広く紹介する求人サービスが普及し始めた。企業側にとっては人材紹介会社や求人広告を利用するよりも安価なうえ、「社員の友達」「その友達」と信頼できる人脈をたどれるためミスマッチが起きにくいのが特徴。潜在的な求職予備軍の掘り起こしにもつながる。IT(情報技術)業界を皮切りに、新たな職探しのツールとして定着しそうだ。

■優秀な人材を人づてで確保

「ウォンテッドリィ」を使って深谷さん(左)を採用したピースオブケイクの加藤CEO(東京都渋谷区)

有料コンテンツサイト「ケイクス」のサービス開始を控えた昨夏、運営会社ピースオブケイク(東京・渋谷)のメンバーにエンジニアの深谷篤生さん(25)が加わった。「小さな会社でユーザーにダイレクトに届く仕事がしたかった」。インターネット系の広告代理店に勤めていた深谷さんと同社をつなげたのがSNS求人サービス「ウォンテッドリィ」だ。

ウォンテッドリィにはIT系を中心に3万人以上が会員登録。利用企業は最近、月100社ペースで増え約800社に達した。企業は募集要項を自社や社員のフェイスブックに投稿。これがシェアされると友達から友達へと求人情報が広がる。

ピースオブケイクの加藤貞顕・最高経営責任者(CEO)は元編集者。「スキルが必要な職種ほど優秀な人材は人づてで動く」との実感から同サービスを利用した。

人材紹介会社や求人広告サイトの情報は、本気で転職を考える人にしか届かない。一方、ウォンテッドリィは友達の投稿として何気なく目に触れる。運営するウォンテッド(東京・渋谷)の仲暁子CEOは「もっと面白い職場があるかも、と考えている潜在転職者を引っ張り出せる」と話す。

■「オフィスに遊びに来て」など緩やかな募集要項も

SNSを活用した主な求人サービス
会員特徴費用
■ウォンテッドリィ
3万人応募者と募集企業社員の共通の「友達」を表示。応募者の評判を聞ける求人1回は無料、2回目以降は3カ月10万5千円からの定額制
■フォークウェル
7千人得意なプログラミング言語など、会員の技術をランク付け紹介した人への15万円以上の謝礼と、その30%の手数料
■ジョブシェア
1千人転職者が現れた場合、同サイトから求人情報をシェアした全員に謝礼手数料、転職者への祝い金、紹介者への謝礼を含み30万円から
■グリファー
700人「友達」の勤務先などの人脈を分析し、適した仕事を推薦転職者の年収の30~50%(転職者と紹介者への謝礼各10万円含む)

応募条件は「社員の友達の友達まで」などと限定できる。「オフィスに遊びに来て」といった緩やかな募集要項もあり、事前に相性を確かめられるのでミスマッチも起きにくい。同社が報告を受けた採用事例は30人超だが「実際は100から200人」(同)とみる。

I&Gパートナーズ(東京・港)が昨年12月に始めた「ジョブシェア」は、募集企業が求人情報を仲介した人に謝礼を支払うことで拡散意欲を高める。最終的に転職者が出たら、I&Gと転職者本人、サイトから求人情報をシェアした人などで報酬を分け合う。

先月から利用を始めたネット広告サービスのフリークアウト(東京・渋谷)では、社員9人のSNS投稿から約2万4000人に求人情報が拡散。すでに詳細な募集要項は約3000回クリックされた。「SNS求人なら当社が求めるスキルを持ち、社風にも合う人材の採用を増やせる」(佐藤裕介取締役)

サービスによっては能力や人脈を精査できる。ガーブス(東京・港)の「フォークウェル」は、約7000人の会員が自分の得意な技術を登録。友達がその能力を認めて「+1」ボタンを押した数に応じランクが上がる。

24日にサービスを始めた「グリファー」は、会員登録者自身や、その友達の勤務先などSNS上にある公開情報を収集。人脈を生かせる求人情報をメールで通知する。

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