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ブームの予感(日経MJ)

2013/1/27

ブームの予感(日経MJ)

ビーサイズの自然光ライト 存在「消える」シンプル構造

継ぎ目のない直径15ミリのパイプ1本を4カ所折り曲げた造形。端のスイッチに触れると、柔らかい光がゆっくり膨らむ。11年設立のビーサイズ(神奈川県小田原市)が開発した「ストローク」は卓上ライトながら4万円弱もする。だが自社サイトの直販だけで1年に約600台を売り上げた。

ビーサイズの八木社長は「10人でもソニーになれる」と話す(神奈川県小田原市)

自然光にどれだけ近いかを示す「平均演色評価数」は90以上。美術館の照明並みに性能が高い発光ダイオード(LED)を組み込んだ。「青みも黄みもない。これが正しい色が見える光」と八木啓太社長(29)。シンプルな本体は、機器の存在を消し「光だけあればいい」という発想だ。

社長が設計から販売、組み立てまで

設計、デザイン、販売、そして一時は組み立てまで自ら手掛けた八木社長は「ひとり家電メーカー」の異名を持つ。1998年発売の米アップルのパソコン「iMac(アイマック)」への憧れが原点。大学で電子工学を学びながら独学でデザインコンテストに応募。富士フイルムに入社すると、今度は機械工学分野に志願した。

医療機器に携わっていた09年、ストロークに使うLEDとの出合いが独立のきっかけ。家賃6万円のアパートで試作を繰り返した。「ひとりで作る」思いを支えたのが安価な設計ソフトや町工場の存在だ。

約100カ所の工場を調べ15社の協力を取り付けた。「20年前は初期ロット1万台、資金は億円単位が必要だった。今は100台から個人の手持ち資金でできる」。ネット上で知名度が急上昇。11年末の発売直後の2カ月で10台程度だった販売台数は昨年9月には100台に増えた。今年は圧縮木材でデザインしたスマホ用充電器を発売する。

大手メーカー勤務の友人が1人合流するが「組織として成長するつもりはない」と話す。「『自分はこれが欲しい』という主観こそ大事。協力企業と製品ごとに最適チームを組めば、10人でもソニーになれる」

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