MONO TRENDY

ブームの予感(日経MJ)

扇風機やライトで成功 ベンチャーに学ぶ成熟市場攻略法

2013/1/27

扇風機や卓上ライトといった生活家電で、日本のベンチャー企業が新機能を加えた商品を次々と生み出している。多くの家庭にある製品は大手メーカーが改良を重ね、消費者の不満は目立たない。だが、完成されたと思われている分野でも、根本から疑問を持てば隠れていた「便利」がみつかる。各社は新発想で技術を組み合わせ、果敢に成熟市場の進化に挑む。

■グラモの万能リモコン端末 全ての機器を1台で操作

タッチパネル上の仮想ボタンで家電を操作できる(グラモの後藤社長、埼玉県新座市)

「ただいま」とスマートフォン(スマホ)に一言。すると部屋の照明が点灯し、エアコンが動き出し、テレビのスイッチが入る。

2011年に設立したグラモ(埼玉県新座市)の「アイリモコン」(約2万5千円)はスマホを家電の万能リモコンに変える端末だ。「10年前の製品でもスマート家電に変身する」と後藤功社長(36)は言う。

まずスマホやタブレット(多機能携帯端末)に専用アプリをダウンロードしテレビ、エアコンといった製品ごとにメーカー名などを選択する。すると各機器のリモコンの機能がスマホ・タブレット画面上の仮想ボタンに割り振られる。

アイリモコン本体は手のひらサイズ。これを部屋に置いておくと、スマホ画面で押したボタンに応じて赤外線信号を発し家電を動かす。

■社長の趣味、ホームシアターがきっかけ

きっかけは後藤社長の趣味、ホームシアターだ。音響、スクリーン、プロジェクター、部屋の照明。「1本の映画を見るのに10個のリモコンが要る」。ボタンを一つ押すだけで全ての家電を動かせないか。

2007年、米アップルの初代「iPhone(アイフォーン)」を見た際、タッチパネルをリモコンにするアイデアが浮かんだ。09年にソフト開発会社を辞め、電子工作の入門書を片手に試作品を完成。11年に量産にこぎつけた。

外出先からも電話回線経由でエアコンを操作し部屋を暖めておける。昨年10月にはアンドロイド端末なら音声操作もできるようにした。累計販売台数は今年、1万台を超える見込みだ。

パナソニックなども最新の家電にはスマホによる操作機能を持たせている。ただ「家電を1社の製品でそろえる発想で、ユーザーからすればあり得ない」。異なるメーカーの機器間でも通信できる「エコーネット・ライト」規格の対応家電も登場しているが、普及には時間がかかりそうだ。

家電の統一・遠隔操作はスマートハウス(次世代省エネ住宅)のキーテクノロジー。アイリモコンは昨春、ホンダの実証実験住宅に採用された。大手住宅メーカーのモデルルームにも採用を働き掛けている。

MONO TRENDY 新着記事

MONO TRENDY 注目トピックス
日経クロストレンド
NTTドコモが店頭の看板から「ドコモ」を消したワケ
日経クロストレンド
日本初「カチッと鳴る」歯ブラシ ライオンが開発
日経クロストレンド
日本電産・永守重信会長 最後の大仕事は大学
日経クロストレンド
30代前半で世帯年収1000万超 好きなブランドは?
ALL CHANNEL