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28年増収 北陸の酒蔵、海外でつかんだ成功の法則

加藤吉平商店、未開の地を開拓

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NIKKEI STYLE

 1975年をピークに縮小が続く日本酒業界。日本酒メーカー各社が苦戦する中、増収を続けるのが「梵(ぼん)」ブランドで展開する加藤吉平商店(福井県鯖江市)だ。海外市場を積極的に開拓、伸びしろの小さい国内販売を補う。世界の酒類市場では日本酒の認知度は低い。そこで勝負するために、同社はあえて日本酒にとって未開の地を選び、文化の伝播(でんぱ)に努めた。

香港のシェフや米国のソムリエが訪問

JR鯖江駅から車で15分。武家屋敷などが残る鯖江市吉江町に加藤吉平商店の酒蔵がある。

昨年10月。香港の有名飲食店のシェフ3人がこの酒蔵を訪れた。酒造りの現場を見てもらおうと加藤団秀代表が招いた。3人は醸造中の酒が入った仕込みタンクに櫂(かい)を突っ込んでかき混ぜたり、酒の原料となる蒸し米を触ったりしながら醸造過程を体験した。

今年2月には、米国から有名ソムリエ10人が来る予定。これまで酒造りを体験したのは海外のシェフやソムリエ、バイヤーなど約200人。酒造り体験の狙いは日本酒の歴史や文化、伝統を理解してもらうことだ。各国の料理界のオピニオンリーダーに日本酒文化の伝道師の役割を期待する。

代理店任せにせず、自ら海外に売り込み

加藤代表の手帳には海外出張の予定がびっしり。海外での販売は代理店にすべてを任せず、自ら足を運ぶ。16日からは香港で日本酒を紹介するイベントに出席。26日からリトアニアのビリニュスに、2月は上海やドバイなど、3月は南アフリカなどに向かう。年間40回以上渡航するという。

リトアニアや南アフリカは日本酒の未開拓市場。だが政財界のパーティーで梵が使われることを知り訪ねることに。世界的な日本食ブームは追い風だが「世界の酒のうち日本酒のシェアは1%にも満たない」(加藤代表)。それだけにむしろ開拓余地は無限大で、加藤代表は「先行すれば『ボン』が日本酒の代名詞になる絶好機」と意欲的だ。

米国2拠点に加え、欧州にも3カ所開設へ

飲み方の提案にも気を配る。梵の一部の商品は洋食でも、熱々のチーズパスタやオリーブオイルを使った魚のカルパッチョなどとの相性は良いという。扱い方のアドバイスも重要だ。日本酒は劣化しないよう冷蔵保存が必要なものも多い。「飲食店や販売店のスタッフへの地道な啓蒙活動が必要」(加藤代表)だ。

海外の営業拠点は米国に2カ所あるが、今春までに欧州ではパリなど3カ所を開設する予定。現地の飲食店などへの営業だけでなく、日本酒文化を伝える起点にする。

世界での販売を踏まえ、品ぞろえや製法を変更

醸造酒の代表格はワインだ。海外での日本酒需要の創造は文化を伝えるだけでは成功しない。「世界に通用するか」という観点から品ぞろえや製法を徹底的に見直した。

海外市場を意識して品評会に出すようになって米と麹、水のみの完全無添加の純米酒とした。0度以下で2~5年間熟成させた商品も多い。熟成を重ねるとワインのような深い香りや口当たりの良さ、うまみが増す。

酒蔵には10年以上の経験を積んだ杜氏(とうじ)はいない。代わりに温湿度センサーのほか、気泡を使った洗米機、もろみの対流を制御できる仕込みタンクなど自社開発した機器が並ぶ。杜氏の勘や経験を数値化して高品質の味の再現を可能にした。

日本政府専用機の機内酒に

1998年、カナダ・トロントで開催された国際酒祭りで「梵・氷山」が第1位グランプリを受賞したのを皮切りに、全米日本酒歓評会やインターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)など品評会で次々と賞を獲得。海外販売への道が開け、世界の公式行事の晩さん酒として採用されるようになった。

2000年に英ロンドンで開催された国際酒祭りで第1位グランプリ酒となった「梵・日本の翼」は、0度で2年間熟成した純米大吟醸酒。口当たりが柔らかく、後味の切れの良さが評価され、日本政府専用機の機内酒になっている。

今後、10億円を投じて生産能力を5倍に引き上げ、高まる需要に対応する計画だ。

(倉本吾郎)

[日経MJ2013年1月11日付]

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