鬼ごっこ、スポーツ化で復権 町おこし・婚活にも大人の介入に批判も

2013/1/16

暮らしの知恵

昔懐かしい鬼ごっこが復権している。「スポーツ鬼ごっこ」と称して、戦い方のルールを定めた遊びが子どもたちの人気を集め、全国大会も開かれた。さらに地域活性化や婚活に使ったり、職場の風通しをよくするために活用する企業も現れたりするなど、大人も鬼ごっこの意外な効用に注目。裾野が広がっている。

円すいコーンに置いた“宝”を取り合う

放課後にスポーツ鬼ごっこを楽しむ小学生(東京都品川区立立会小学校)

東京都品川区立立会小学校の体育館。小2~小6の子どもたちが、冷気を切り裂く勢いであっちこっちと走り回る。スポーツ鬼ごっこの試合だ。

コートを半分にわけ、敵の陣地に描かれた円の中心にある、円すいのコーンに置かれた“宝”を取り合う。円の周囲で守りにつく敵に両手でタッチされたらアウト。敵陣内の両隅にある長方形の安全地帯に逃げ込むとセーフ。タッチされたら自陣に戻ってやり直しだ。7人対7人の戦いを終えると、子どもたちの作戦会議が始まった。

「3人で守るから4人で攻めちゃってよ」「超いい技思いついたから攻めをやらせて」「せーのって言った時に一斉に攻めよう」

中には負けた悔しさで泣き出す女の子もいる。同小が放課後のすまいるスクール(学童クラブ)で鬼ごっこを始めたのは昨年3月。毎回約40人が参加する人気プログラムになった。

一般社団法人鬼ごっこ協会が発足

専任スタッフの堀内隆二さんによると、道具もいらずに体ひとつで参加でき、足の速い子は攻め、動作の遅い子でも守りができると、各自にあった役割があるのがいいという。さらに「最初はサッカーのFWのように点を入れたがる子が多いが、守りが良くないと勝てないとわかり、自分だけやってもだめということを学んだ」。

大分県九重町は昨年12月、町内の6小学校対抗の鬼ごっこ大会を開いた。一昨年から鬼ごっこを使った体力向上に取り組み、昨年で2回目。同町教育長の古後粒勝さんによると、自然豊かな山あいにある町でも、昔のように暗くなるまで走り回る子どもは見ない。

「サッカーや野球は盛んだが、体力テストをすると瞬発力や持久力が弱かった。遊びを通じてこれらを養うのに鬼ごっこはいい」と教育重点事項に盛り込んだ。そのかいあってか、今年度の体力測定では、全国平均や県平均を上回る項目が昨年度より格段に増えた。

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