ランチに男女差 女は「交流」、男は「1人」多数金額と目的に大きな違い

2013/1/6

ブームの予感(日経MJ)

働く男性のランチ代はワンコイン、女性は千円札1枚――。ランチを巡る、こんな説がある。「ランチ代の男女格差」はあるのか。背景を含めて探ると、昼食に求める役割が女性は「コミュニケーションの場」としての色彩が強く、男性は栄養補給を優先しているらしいことがわかってきた。

4割の女性が「週1~2回、1000円超のランチ」

OLのランチは意思疎通や気分転換のための時間(東京都江東区のしゃぶしゃぶ温野菜豊洲店)

今月14日の昼時。東京メトロ豊洲駅近くの「しゃぶしゃぶ温野菜」に次々と女性会社員が入る。お目当てはしゃぶしゃぶ定食。約250店ある同チェーンのランチ営業店は1割弱だが、女性たちは「お得」な穴場を見逃さない。「久々にみんなの予定がそろったからおいしい物を食べようと思って」と、30~40代の女性3人組は勢いよくしゃぶしゃぶをほお張った。

この日は「コストパフォーマンスが抜群にいいから」と1番人気の「アンデス高原豚」の定食を注文。豚ロース2皿とカルビ1皿、国産野菜の盛り合わせ、ごはんがセットで750円だった。日ごろは手作り弁当やコンビニエンスストアの商品だが「週1回は千円程度のおいしいランチを食べる」と教えてくれた。

日経MJがプロントコーポレーション(東京・港)の協力を得て、12月にプロントファン女性の会「プロン女」35人に聞いたところ、1回のランチ代は半数近い16人が「800~1000円」と答え、週1~2回は1千円を超す人も14人いた。

男性会社員の昼食代、前年より25円少ない510円に

「ランチはワンコイン」という感覚が広がり、新生銀行の2012年調査では男性会社員の昼食代は510円と11年より25円も減った。プロン女たちのランチ代は高め、との印象を受ける。プロントの広瀬千賀子広報室長は「夜はプライベートを優先したい分、昼間に時間をかけて食事し、同僚とのコミュニケーションを円滑にし、友人との会話を楽しみたいのではないか」と解説する。

こうした見立てから、同社は11月に初めて昼から仏ワインの新酒「ボージョレ・ヌーボー」を販売した。結果はヌーボー売上高の1割を昼間で稼ぎ、ワイン全体で前年比15%増収となった。

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働く女性、ランチの場を同僚との交流に活用