くらし&ハウス

安心・安全

子どもの睡眠改善、学校と家庭で共同歩調 記録してリズム整える

2012/12/18

子どもの成長に大きな影響を及ぼす睡眠のリズムを整える動きが広がり始めた。何時に寝て何時に起き、いつ昼寝やうたた寝をしたかを細かく記録。分析した問題点を家族と学校などで共有して対応する。眠りの改善に取り組む姿を追った。

福井県若狭町の三宅小学校には「睡眠通信簿」がある。全校生徒が毎学期1回、土日曜日を含む2週間の睡眠を、0~24時のます目で区切った専用シートを塗りつぶして記録。学校は「夜10時に寝る夜更かしが5日連続ありました」「月・火曜日の入眠時間が遅いです」などの評価を返す。睡眠の乱れが目立つ時は保護者面談も実施。家庭で規則正しい生活への意識を高めてもらう。

■テレビは20時まで

2007年から本格調査を始めたきっかけは、卒業生が中学で不登校になる割合が他の小学校に比べて高かったこと。理由を探ると、三宅小で夜10時以降に寝る生徒は当時62%に達し、同じ中学に進学する他校(11%)を大きく上回っていた。元校長で、今も調査に協力する前田勉さんは「幼い頃からの生活リズムの乱れが朝起きられない人間をつくり、不登校につながる可能性がある。これは地域社会と家庭で取り組む問題」と考えるようになった。

「テレビは夜8時で消すと決めました」。西野敬子さんは三宅小に通う1年生の息子を育てる。これまで夜9時半から10時半の間に寝て朝7時過ぎに起きていたが「睡眠が発育に影響する時期だから9時には寝るように」と指導を受けた。逆算すると8時には風呂に入らないと間に合わない。

両親が共働きの6人暮らし。大人が多いと子どもの生活も夜型に引きずられやすい。一方で、小学校入学後は保育所に通っていたころと比べて家を出る時間が1時間以上早くなったため「寝不足で機嫌が悪そうな様子が気になっていた」。夜8時以降は大人は別棟でテレビを見る、息子が眠くなくても部屋の電気を消すというルールを決めた。

森口満千代さんは家族で菓子店を営む。自宅併設の店を閉めるのは夜7時半。夕食は皆で8時に食べる習慣だったので、2年生の息子の就寝時間は10時を過ぎる日もあった。今は満千代さんだけ仕事を離れて、6時半に夕食を用意する。「家族全員がそろわないのは残念だけど、低学年の間は子どものサイクルに合わせて生活する」と話す。

「睡眠は学校から見えない、関与しにくい領域。各家庭で事情も異なるため、皆で問題意識を持ち続けることが大切」。高橋繁応校長は指摘する。三宅小では睡眠の重要性を保護者会などを通して説明。今年の調査では夜10時以降に寝る生徒の割合は23%に低下し、卒業生の不登校者も初めてゼロになった。

くらし&ハウス 新着記事

ALL CHANNEL