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安心・安全

2012/12/17

安心・安全

こうした学校や家庭の取り組みが肥満児の減少傾向の一因とみられる。ただ、小児肥満対策推進委員会委員長で共立女子大看護学部設置準備室の大関武彦室長は「まだまだ高水準。減少ではなく『高値安定』とみるべき」と警鐘を鳴らす。

地方と都心では意識に格差

実際、地方では改善が進んでいない。肥満傾向児の出現率を地域規模別にみると、小学生男子は大都市圏では9%未満なのに対し、町村やへき地では12~13%台と高く、男女ともに大都市とへき地で約5ポイントも差があった。理由の一つが地方と都心の意識格差という。

「地方では少し太っている方が健康という考えを持つ人が多い」と話すのは茨城県の会社員男性(37)。8歳の長男と6歳の長女は太り気味なため、親からは甘い物を与えていないが「同居の祖母が『少しくらい太った方がいい』と駄菓子をどんどん与えてしまう」のが悩みのタネという。「知人の家で菓子をもらったり、小遣いで買い食いしたりするクセもついて、いくら注意しても直らない」

こうした状況に「おやつを急にやめると反発するので、少しずつ量を減らした」(埼玉県の通訳業の46歳女性)、「子どもに肥満が引き起こす病気のビデオをみせた」(都内の35歳会社員女性)など独自の取り組みに知恵を絞る人も多い。

共立女子大の大関室長は「間食を防ぐなど栄養バランスも大切だが、何より大切なのが食生活のリズム。特に夜型は太りやすいというデータもある。朝ご飯、晩ご飯など家族一緒に食べる時間を決めるなど子どもの生活全般を見直し、規則正しい食生活を作っていくことが肥満の一番の予防につながる」と訴える。

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「やせすぎ」に注意 体力・骨に悪影響

大都市圏で肥満児が減少傾向にある一方、「やせすぎ」の子どもも大都市圏に多い。男子より女子にその傾向が強く、小学生女子の出現率は大都市圏で2.9%と、へき地(2.1%)と開きがある。理由の一つは無理なダイエットとみられ、やせすぎは体力低下や栄養不足など成長段階でマイナス影響が出る可能性があるので注意が必要だ。

一般的に骨密度は20歳がピークで、それ以降は減少に向かう。しかし思春期に栄養が不足すると大人になって骨の丈夫さに大きな差が出る。また子どもの時のダイエットでホルモンバランスが崩れ、妊娠しづらくなる可能性もあるという。大関教授は「大人になるまで気付きづらいが、長期的にみると取り戻しがつかないとても危険な問題」と訴えている。

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