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職場の知恵

この道以外ダメ 若者に「キャリア決めつけ症候群」 早期の専門化に危うさも

2012/12/11

若い会社員の間で早くから自分の専門を決めて“武装”しようとする傾向が強まっている。自分のキャリアを固めることは、効率が良さそうに見えても危うさが潜む。ビジネス環境がめまぐるしく変化する時代に、仕事の第一線で長く活躍し続けるために必要な心がけは何か。専門家の助言をもとに、望ましい基本姿勢を探った。

■目標部門が無理なら、会社辞め留学

今年も本格的に就職活動が始まった(1日午前、東京都江東区の東京ビッグサイト)

「人事担当の部署に移りたい。異動希望を出しているのに、上司がまともに取り合ってくれない」。家電メーカーに勤める入社2年目のA男さん(23)は焦燥感をあらわにする。

大学時代、キャリア教育の授業で将来を問われ、「人事のプロになる」という目標を定めた。就職活動では面接で目標を語り、難関を突破した。だが入社後に待っていたのは営業の慌ただしい日々だった。「周りの先輩たちは漫然と働くだけで専門を磨いていない。このままでは僕も同化して、特徴のないリストラ対象者になってしまう」と悩む。

大手日用品メーカーの物流管理部門に配属されているB子さん(24)も、今の仕事に対して「これは自分の仕事でない」と違和感を抱えている。「目標の広報部門に早くたどりつきたい。それができないなら、会社を辞めて留学することも考えている」と言う。

■不本意な下積みに戸惑い

就職情報会社のマイナビ(東京都千代田区)が今年3月に発表した調査によれば、大学3年生(当時)約6700人が会社選びで最も重視しているのは「自分のやりたい仕事ができる」で、全体の45%に上った。日本生産性本部(東京都渋谷区)が4月、新入社員約2000人を対象に行った調査でも、「自分には仕事を通じてかなえたい『夢』がある」という回答が71%に達していた。

だが実際には会社に入って、やりたい仕事をすぐできる人は少ない。不本意な下積みを続ける現実に戸惑い、真面目な人ほど自分の目標を見失うまいと悩む。就職事情に詳しいキャリアコンサルタントの上田晶美さんは、「下積みが嫌で本当にスパッと辞めてしまう人もいる」と困惑する。

自分のキャリアプランにこだわり、回り道しないで効率よく進んでいこうとする傾向を、「キャリア決めつけ症候群」と呼んでみてもいいかもしれない。慶応大学大学院特任教授の高橋俊介さん(キャリア論)は、若者に広がるこの傾向について「それでは21世紀の変化の時代に対応できなくなる」と批判的だ。

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