2012/12/2

ブームの予感(日経MJ)

「ねぞうアートの本」の作者の小出真朱さん(右)とモデルとなった娘の温乃ちゃん(東京都世田谷区)

ブームの火付け役は、7月に出版され、これまでに3万部を発行した「ねぞうアートの本」(ぶんか社、本体価格1143円)の著者で漫画家の小出真朱さん(41)だ。2010年9月に娘を出産。昨年7月、海外の寝相アートの絵本を見たのを機に、バーテンダーで夜間出勤のため娘が寝ている姿をなかなか見られない夫(32)に見せるために作り始めた。昨年9月には娘の1歳の誕生日を記念して、ヨットに乗っているように見える寝相アートを夫がツイッターに投稿。一晩で約2000回リツイート(転送)された。

ミクシィに寝相アートのコミュニティー

「宇宙旅行」。小物使いで宇宙を表現(青木さんの作品)

小出さんはこれまでに約200の作品を作っており、投稿当初は50人ほどだった夫のツイッターのフォロワー数は現在は1600人以上に増えた。「ミクシィ」では昨年11月に寝相アートのコミュニティーができ、現在約2400人が登録している。短期間での広がりについて、藤田さんは「笑いを誘う話題性のある寝相アートは、他人が見ても面白いと思える数少ない身内ネタ」とその要因を指摘する。

09年に結婚した小出さんは「独身時代は正直子供が好きでなく、他人の子供の写真を見せられて反応に困ったこともある」と明かす。出産後は、「子供がかわいく、他人に見せたくて仕方ないが、ツイッターなどで不特定多数の他人が見たときにどう感じるかが気になる」。そこで「オチがつく寝相アートなら皆が見て楽しめるのではと思った」という。

赤ちゃんが「筋トレ」。本物のおもりも活用(青木さんの作品)

背景にコスプレ文化の浸透

7月に男児を出産した自営業の青木水理さん(28)は10月、寝相アート専用のブログを開設した。8月から作り始めた40種類ほどの作品を投稿。アクセス数は1日約3000にのぼり、「独身の人からも『癒やされる』というコメントをもらう」という。寝相アート以外にも我が子の写真を撮っているが、「あえて人に見せるモノでもないので載せていない」。

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夫婦間にゆとり生まれる効果も