政治家の本気を見せてよ…総選挙に行こう
見た目が9割ともいう
「○○ってイケメンだね」
「ママは××のほうが好みだなあ」
サッカーの試合で、音楽番組で、私や娘は特に深い考えも無く、そんなことを口にする。すると間髪入れず夫がいうのだ。「顔は関係ないっ」
確かにプロスポーツ選手やミュージシャンはその技量や才能が評価されているのだから、容姿は関係ない。わかっているが、目はいく。容姿がいいと同じプレーでも喜びは2割増しに感じられるから不思議だ。
「この人、イケメンだね」と先日、娘が指さしたのは某2世議員の政治家。国の将来を左右する政治家こそ、容姿ではなく政策や指導力が問われるはず。これはという政策が見えてこないから、容姿に目がいってしまうのか。
「人は見た目が9割」(新潮新書)という本もあった。かつて米国の大統領をケネディとニクソンが争った際、ケネディはメディア戦略を徹底し、若々しく力強いイメージを印象づけたという。最初は見た目重視の候補でも、大衆の熱狂が大政治家に化けさせることがあるかも。そんな期待をしつつ、政策を見ているはずが、いつの間にか選挙候補者の顔に目がいく。
オトコは中身で勝負
「ちょっとこの人怖くない?」
「いや怖いのはまだいいのよ。あの顔がオタクっぽい人の方が心配よぉ」
ほら、また始まった。選挙が近づくたびに妻と娘が繰り広げるビジュアル投票。日本の将来を誰に託すかを決める重要なイベントだというのに、この軽さには苦笑いするしかない。
だいたい男性の政治家ばかり話題にするのはどうかと思うよ。男は見た目より中身、つまり政策だろう。僕を選んだ君なら分かっているはずだ。ビジュアルだったら女性の政治家だって真っ赤だったりピンクだったり、服装に驚くことが結構あるぞ。もちろん僕はそんな印象は投票に持ち込まない、つもりだけどね。
えっ、そんなこと言ったって男より女の方が投票してるじゃないだって? 総務省によれば、1969年以降に14回あった衆院選の男女別投票率は女性の13勝1敗。もともと女性の方が人口が多いことを考えても、男性の影響力は明らかに小さくなった。
ならばなおのこと見た目より中身がある人を選びたい。それが清き一票というものだ。今回は投票してからゴルフに行こうっと。
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