「星の数」なんて気にしない 京料理が見せるプライド

その存在だけで大勢の観光客を引き付けるのが、京料理を中心とした食の魅力。京都ならではのこだわりや挑戦があります。

【登場人物】
東太郎(あずま・たろう、30) 中堅記者。千葉県出身。人生初の「関東脱出」で京都支社に転勤し半年。取材時もオフの日も突撃精神で挑むが、時に空回りも。京都に来て感動した食材のひとつが、琵琶湖のホンモロコ。
竹屋町京子(たけやまち・きょうこ、25) 支社の最若手記者。地元出身、女性ならではの視線から、転勤族の「知識の穴」を埋める。料理店の表の看板に季節の食材が書かれると、ワクワクする。
岩石巌(がんせき・いわお、50) 支社編集部門の部長。立場上、地元関係者との交遊も広く、支社で一番の「京都通」を自任する。寒さには弱いのに、朝のコーヒーをアイスからホットにかえたのはつい先日のこと。
(登場人物はフィクションです)

オレの「あの店」が、まさか……

お盆の上に新緑を演出した5月の料理

東太郎 またまた東京の先輩から店の手配を頼まれて……。正直、面倒くさいです。

竹屋町京子 京都に来るなら、少しは自分で見当を付けてから来てほしいですよね。

太郎 実はですね、先輩もガイドブックで見つけた店に行こうとしてたんです。それに対して私が「ガイド情報は当たり外れがありますよ」って言ったもんだから「じゃあ、おまえのイチオシを」ってことになって……。

岩石部長 雑誌の最新京都特集号の店でも紹介しとけば、納得するんじゃないのか。

京子 あら、そんなこと言っていいんですか? こないだ買ってきた雑誌に、麩屋町(ふやちょう)通沿いの町家バーが載ったのを見て「なんで紹介するんだよ!」って文句言ってましたよね。

部長 ちっ、聞かれてたか。

太郎 たしかにあの店は雰囲気がありますもんね。隠れ家を暴かれてしまった痛手、分かります。

部長 開業して1年半。ずっとメディアに取り上げられず、安心してたのになあ……。

京子 ひいきの店は伏せておこうと思うなんて、2人ともすっかり地元の人って感じですね。

部長 上司をからかうな。

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星の数がナンボのもんじゃい!
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